鈴木祐さんが書いた「ヤバい集中力」を読みました。
読んでみて、この本が素晴らしいのは、徹底的にエビデンスベースで文章が書かれているところだと思いました。
そもそも、なぜ集中力が維持できないのでしょうか?
それは、脳の中の辺縁系という衝動に関与する部分が五感に訴えるものに関してめちゃくちゃ反応するからです。しかもこの反応は、600万年前から磨き上げられた生存プログラムなので、集中が途切れて当たり前、、、
そして、この「ヤバイ集中力」は、この辺縁系(本能)のことを脳の中の獣として例えて、この集中を切らしてしまう獣をどのように扱えばいいのかという”獣の取扱説明書”になっています。
そして、この獣を上手く扱うために必要なものが人間の理性を司る脳の中の前頭然皮質という部分。これを調教師と呼ぶことにします。
いわば、この本は獣(本能)を理解し、優秀な調教師(理性)を育てるための本です。
この本は、6章で構成されており、
1~3章 獣の理解と活用法
4~6章 調教師のトレーニング法
みたいな感じです。
今回は1~3章を軽く、まとめて自分だったらこう使うだろうという所を書いていきます。
獣(本能)の力は、めちゃくちゃ強いので調教師(理性)がダメだよと言っても言うことを聞いてはくれない。獣は原始時代からヒトに備わっているので、めちゃくちゃパワーが強い。昔は、猛獣に襲われる可能性があり周りの音などに意識を向けないと簡単に死んでしまうので、獣の存在のおかげで人類が反映することが出来たのは事実。でも、現代社会では襲われる心配は基本的にないのでこのプログラムが集中の邪魔をしてしまっている。
つまり、獣は昔の人が生き延びるためのめちゃくちゃ強い脳内のプログラムのこと。
まず第1章では、獣が暴れまわることを防ぐにはきちんとしたご飯を与える必要がある。この本では、脳を若くしてくれるのではという地中海式の食事を具体的に提示してくれています。そして、食事に関して、一番大切なことは当たり前ですけど、体に悪い食事を減らして体に良い食事をとること。だから、個人的にはここに書かれている食事をきちんと守る必要はなく、(というか、完璧に守ろうとすると続かない)3食の中の一食を地中海式にして、普段の生活でジャンクフードとサラダ油とお菓子をなるべき避けるくらいな感じでいいと思いました。
食事の次は、獣は報酬の予感にめっちゃ反応する性質があるので、この性質を上手く利用するにはどうすればいいかが書いてあります。
第2章で、個人的に普段やりがちだと思ったNG行動は難易度エラーですね。獣は、報酬の予感に強く反応するので、難しすぎる問題は報酬を得るまでに時間がかかりすぎると判断し報酬の予感を得ることが出来ずすぐにやめてしまう。逆に簡単すぎると、この作業はいつでもできるからいいやと先延ばしにしてしまいます。そこで、研究の結果によると何とか解けそうくらいの問題が一番集中できたんですね。多くの人が、集中できない理由の一つは難しすぎであったり、簡単すぎだったんですね。だから、学校の宿題などはみんな同じものでは、集中力にばらつきが出て当たり前なんですね。だから、学生であったり社会人で資格勉強をする人たちは参考書や問題集などを選ぶ際には注意が必要ですね。
第3章では、獣が反復行動に強く反応するという特性を活かした上手な操り方を教えてくれます。
この章では、記録が重要だよということを述べて、自分に対する信頼感を増やすための小さなテクニックがたくさん書いてあります。
とにかく大事なことは、反復行動でたとえそれが大事なことではなくても毎日続けていれば、獣はこれはめちゃくちゃ大事なんだと勘違いしてその行動をとらせようとするらしい。例えば、寝る前にYoutubeを見続けたら獣はこれが大事な行動だと勘違いしてその行動をとらせようとしちゃうみたいに、悪い方向にも働くことを理解することも大切だなと思いました。
こんなわけで、1~3章の獣に関してざっくり書いてみました。
要するに 健康的なご飯食べさせる→報酬の予感を与える→同じ場所・時間に大事な作業を反復
を続ければ獣上手く操れるようになるんじゃないのということです。もちろん、この本に書いてあることをやったからとて上手くいくとは限りませんがやらないよりかは、集中できる確率はあがると思います。