さっきお風呂上がった後王子と部屋にくると、母上が床を拭いていてくれた。
本来なら私がやらなきゃいけないのに、文句を言いながらも掃除手伝ってくれてて。
自分の不甲斐なさに涙出てきて、母上とお互い鳴きながら話してた。
王子を生むって決めた時、父親が居なかろうが精一杯幸せに育ててやりたい、一杯思い出作ってあげたい。なのに、王子を連れて歩けるのは市内程度で、出掛けた記憶なんか数えられるくらい。
『絶対に幸せにして、楽しい思い出一杯作ってあげたかったのに』
って泣いてたら、王子がデスクに飾ってある写真立てを持ってきた。
お母さん、オレ、楽しい事一杯だったよ。ほら、この時だって。
幼稚園の頃、マムさんからたまたま頂いたチケットで行ったディズニー。
身長制限で乗れない乗り物も一杯あったし、アレルギーがまだひどかったからレストランには入れず持参したお弁当をベンチで食べて。
唯一食べられたのはポップコーン。
折角連れて行ったのに、心から喜んでくれたかといえばそうではないと思ってた。
大人だったら乗り物乗らずにもあの世界観が楽しめる。
けど、王子はそれがとても楽しい思い出だと言って抱きしめてくれて…そこでまた号泣した。
私に出来る事、してあげられる事は限られてる。
けど、これから先はもっと楽しい思い出を作ってあげたい、改めてそう思った。
私の子に生まれてきてくれてありがとう。
世界で一番愛してるよ。