峨眉山の幸福树酒店 | 古代文化研究所:第2室

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○峨眉山のホテルを探している時、ホテルの人気度ランキングなるものがあって、その中で、峨眉山では「幸福树酒店」と言うホテルが他を圧倒しているのに驚いた。こんな結果があるのには、余程の理由があるに違いない。誰もがそう思う。

○何故なら、「幸福树酒店」はそれほど立派でも大きくもない、ごくごく普通のホテルであって、峨眉山麓周辺のホテルの中で、目立つ存在でも何でもない。それがホテルの人気度ランキングで第一位であるからには相当な理由があるはずだ。宿泊代にしたところで、100元から200元程度で、三つ星ホテルの標準的代金となっている。

○だから、峨眉山を訪れるに際して、幸福树酒店がどういうホテルであるかが、相当気になっていた。2015年5月21日、夕方に峨眉山に到着し、幸福树酒店へチェックインして、たちどころに、峨眉山の幸福树酒店が何故、ホテルの人気度ランキングで他を圧倒しているかを理解した。

○それは全て、フロントの若い女性のお陰だと言うしかない。多分、20代後半くらいの女性だと思われるが、客の要望をしっかり聞いてくれ、客の要望に存分に応えてくれているのに、驚いた。客が必要なことを必要な分だけ、しっかり対応してくれていることにびっくりした。なかなかこういう応対は出来ない。

○こういう話は抽象的では理解することが難しいので、私自身の体験をお話して済ませたい。ホテルに着いて、私がフロントに期待したのは、二つのことであった。一つはお腹が空いていたので、適当な夕食をすることであった。中国の食堂は、基本単品料理注文であって、一人で食事するようにはなっていない。せめて、数人居ないと食べ切れない。だから、私のような単独旅行者には極めて不便である。

○私は中国語が話せないので、筆談で、そのことをフロントの若い女性に伝えた。すると、その女性が「大丈夫です。そのように対応します。」とおっしゃるではないか。「お客様が部屋で荷物を整理なさっている間に、レストランに準備させます。」ともおっしゃった。

○もちろん、二人の会話は筆談である。ただ、彼女は携帯の中国語日本語変換機能を使って話し掛けてくる。それがまた見事なのにびっくりした。こういうふうに、一人一人の客の要望にしっかり応えてくれるホテルを、私は今まで経験したことがない。

○もう一つのお願いは峨眉山の地図であった。私の要望は「この近くで峨眉山の地図を売っているところを教えて欲しい。食事後、買いに行くので。」と言うものであった。

○彼女の答えは、「判りました。お客様がお食事中に、私が買って来ておきますから。」であった。それではあまりに申し訳無いので、「大丈夫です。私が自分で買いに行きますから。」と言うと、「今、フロントがそれほど忙しく無いので、十分対応出来ます。」と言うものであった。

○それで、お願いして、部屋へ入り、荷物を置いて、レストランへ行くと、私の注文通りの食事が出て来た。料金も、確か20~30元ほどの、極めてリーズナブルなものであった。何しろ「それで大丈夫か」と私が聞き返したくらいの代金であった。

○食事が終わって、代金を支払った時、彼女はもうすでに地図を買って来てくれていたのにも、驚かされた。それに代金は要らないとおっしゃる。それではあまりに申し訳ない。だから「代金くらいは支払いたい。」と言うと、「大丈夫です。それは当ホテルからのお客様へのサービスです。」とおっしゃったのでまたまた驚いた。そんなホテルは見たことも聞いたこともない。

○私はこういう時の為に、日本から歌舞伎のタオルを持参していたので、部屋に帰って、それを御礼代わりに差し出した。彼女は恐縮したが、何とか受け取ってくれた。

○峨眉山で、幸福树酒店が何故、ホテル人気度ランキングで圧倒的に第一位なのか。それは彼女のお陰なのでは無いか。何故なら、峨眉山で、幸福树酒店は、あまりに普通のホテルであるに過ぎない。部屋が取り分け立派であるわけでも無いし、最新の設備が充実したホテルであるわけでもない。

○こういう接客が人々を満足させ、それがホテルのランキングを押し上げている。私にはそういうふうに思われた。それ以外に、峨眉山で、幸福树酒店がホテル人気度ランキングで第一位である理由が無い。

○ちなみに、彼女の名は劉琴霞さんとおっしゃる。彼女が峨眉山で、幸福树酒店をホテル人気度ランキング第1位に押し上げていることは間違いない。