日本を救った西にある翼【迷旅客機列伝より】 | 札幌支店長の独り言

日本を救った西にある翼【迷旅客機列伝より】

今回は「イラン・イラク戦争」の最中1985年3月にあった「在イラン邦人脱出」の一件を人間目線で無く飛行機目線で紹介した動画を紹介します。
動画の題名は”【迷・名?旅客機列伝】#7 トルコ航空DC-10”。これは三部作構成となっている。一部目は、トルコ航空へ「マクドネル・ダグラスDC-10」が導入された経緯が描かれて、二部目は、「欠陥殺人機」という汚名を着せられた「トルコ航空DC-10パリ墜落事故」の一件を紹介。三部目で「テヘラン救出劇」とその後のDC-10を紹介しています。
この作品のナビゲーターには「欠陥殺人機」の汚名を着せられたトルコ航空DC-10(機体番号:TC-JAV)が事故後の彷徨える飛行機の霊として登場し事の流れを説明していきます。飛行機に魂が隠ってくるのか?単なるヲタクの妄想の世界じゃないのか?と思いの方もいらっしゃると思うのでここで簡単に説明しますが、古来日本では”八百万の神”という考えがあり物にも魂が宿るという考えがあります。この魂の事を九十九神(ツクモガミ)と呼びます。この九十九神と擬人化は同じ所に発想が行く物と自分では解釈しています。
この三部作の特徴としては全編日本が関わっていると言う所にも注目して欲しい。

1部目では、エルトゥールル号の一件をさらりと紹介している。これを紹介しないと何でこうなったのかが上手く説明できなくなります。例えばですが「忠臣蔵」ですが、最後の吉良邸襲撃の場面だけしか描かなかったら「狼藉蔵」に変わるのと同じです。
また、当時カントリーリスクが高かったトルコの航空会社であるトルコ航空へDC-10が3機導入された経緯が紹介されていて、日本よく知られている事件が関わっている事も紹介されています。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm16689305

2部目では、DC-10最悪の事故「トルコ航空DC-10パリ墜落事故」の一件とDC-10のライバル機である「ロッキードL1011トライスター」がテロにより破壊された一件も紹介(とある事件で両機共に関係しているつながりで出てきています)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm16871863

3部目は、トルコ航空による日本人テヘラン脱出についての経緯と残った2機のその後を紹介している。日本人が何故最後まで取り残された経緯もよく見て欲しい。日本からの救援機が最初から飛ばさないつもりは無かったが、とある力で飛ぶ事が叶わなかった。日航機が日本人救出の為にもし飛行機を飛ばしていたのならばこの救出劇ヒーローはトルコ航空のオルハン・スヨルジュ元機長でなく日本航空の高濱雅己機長(昭和60年8月御巣鷹山で殉職)だったかも知れない事も書かれています。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm16979556

テヘラン救出劇の一件で在外邦人保護の必要性が問われた事件であり、当時の問題点が露骨に現れた。たまたま親日であるトルコが近くにあったから脱出できたが、テヘランの近くにトルコみたいな親日国が無かった場合脱出出来ずに日本人が日本人を見殺しにする事態も想像出来ると思う。この問題点から政府専用機の必要性が見えてきた。更に在外邦人の保護の観点から言ったら今の体制も正直よろしくない。
テヘラン救出劇を見てこれからの日本はどうするべきなのか考えて欲しいと思う。また、命をかけて助けてくれたトルコに感謝して欲しい。
「安全が確保されないから救援機を飛ばさない」と「安全が確保されていないからこそ救援機を飛ばす」この二つの言葉の違い、前者を選択した方は経営破綻し、後者を選択した方はローカルな航空会社だったのが今では世界に広げる翼になった。