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眼下に美しい幾何学模様

それに続いてキラキラ光る海

太陽と相性のよさそうな橙色の瓦屋根が見えてきたのは

当初の予定より数時間遅れてのことだった

 

LCCと個人所有の飛行機しか飛ばぬ

地方都市のマイナーな空港を利用して

今季(夏)何度目かの旅は

ポルトガルはポルト空港を拠点に

スペインガリシア地方とポルト周辺の旅

 

娘の26回目の誕生日を

自宅でジメジメ涙ながらに過ごさぬように・・・・という

ここ近年の夫の配慮による「旅」だ

 

詳細はいずれ記載すると思うが

 

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まずは ポルトからレンタカーでスペインのガリシア地方のとある山の中に在る

スペイン版 アグリトゥーリズモで賞に輝いている宿に。

 

飛行機2時間半の遅れに加え

レンタカーの不具合

(新車のシトロエンだというのに

iphoneのアプリに連動していない・・・・と

我々とスタッフが気づくまでに

かなりの時間を要し

結局 予備で持参していた

私の旧アンドロイド携帯にwifiを飛ばし(デザリング)

不慣れな山道をゆく・・・・

 

間で宿に連絡はしたものの

我々が宿に到着したのは

日が長いはずの欧州で 日も暮れた

23:30近く

 

トイレも食事もガマンして車を走らせたが

 

・・・・・走らせたのは夫だが

通常後部座席でグースカ眠り放題の私は

助手席でグーグルの地図を早め早めに読み上げる

前近代的ナビになり結構神経がすり減っていた

 

この遅くの時間

 

だが この宿(多分家族経営)

嫌な顔1つせず

 

次々と 夕餉の支度をし、

チェックイン前の我々の目の前に食事を並べてくれるのだった

 

 

ありがたや・・・・ ありがたや・・・・

 

 

数少ない知ったスペイン語で

 

「ありがとう」 「おいしい!」 「最高!」

 

ムーチョを連呼しながら

表情に乏しいの逆を行く私は

感謝の意を全身で告げ続けた

 

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この宿は宿泊者数こそ少ないものの

連日かなりのレストラン利用客が訪れるようだ

どう数えても

4~5名しかいないスタッフでよく回っているな・・・・というほど

彼らはいつ休憩し、眠っているのか? わからぬほど

よく働いている

 

日本人がイメージする

陽気なスペイン人とは ちょっと異なる

表情はかためではあるが

それでも心底優しくて

ホスピタリティーに溢れていて・・

 

何より

夜~朝の静けさ 涼しさが心地よい

 

皆が寝静まっているであろう

 

夜中

早朝

 

「眠り」が訪れてくれぬ私は

かなりの時間を 冷涼で静かなプールサイドで過ごした

 

水を循環させるモーター音

ユッサユッサと揺れる木々の葉の音に

他者を起こさぬ音量でかけるアンドラーシュ・シフのバッハのパッセージが

妙なリンクを繰り返し

静の中

私の神経だけが 目まぐるしく

微細な情報をひろってゆく・・・・

それも心地よい

 

朝食には

前夜の残りと思われるパンが

カリカリッに焼かれて供される

 

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私はフランスのおいしいバゲットも嫌いではないが

イタリーやスペインで食される

「パン」単体では おいしい!? と疑問を抱くほどの

素朴なパンが実は好き。

 

カリカリッにバターやコンフィチュールを塗って

カリッグニャッなパンを口に頬張る

 

時折 カリッな部分で

上あごや口内を傷つけるが

それでも この食感が好き

 

 

この宿から山を下れば

ビーチ

 

今年はターコイズブルーの<<ビキニ>> ←巨漢 妊婦より腹もデカイ! 胸より腹が出ている!のに ビキニを貫く女

を新調したのだが

 

「北」大西洋の海は とことん冷たく

泳ぐ人はおらず・・・・

 

陽ざしの強い浜辺で暑くなった(熱くなった)

肌を冷ますために 海水に浸かる

「うへー!」といいながら浸かる

 

前日の神経すり減り ~ 寝不足がたたり

久々に不整脈多発していた私は

「うーちゃん ホントに冷たいからやめたほうがいいんじゃない?」 

と言われたが

 

海を目の前に 浸からぬより

浸かって昇天を選ぶ

 

どのくらい冷たいか?というと

真夏の日本の飲食店で

水滴がつきまくる ホントに冷え切った「お冷」 のレベルの冷たい海水

 

日常生活では使うことなどめったにない

「寒流」 という言葉を思い出すほど

陽ざしの強さに無縁の冷たさ・・・・であった

 

胸まで浸かるなんてもってのほか

 

大体海水に浸かっている人もほとんどいない

 

このエリアの海水浴は

地中海や フランス南西部大西洋側の海水浴とは

別物なんだと知る

 

 

 

サウナと水風呂を繰り返すうちに「整う」 という状態に陥り

それがサウナにはまる理由だそうだが

 

その気持ちが何となくわかるようになってくる

 

アチチチの浜辺で

身体を休めて

ヒャーっ!!という海水に浸かる を繰り返すうちに

その冷たい海水が 気持ち良くなってくるのだ

 

 

生ぬるくなった海水に身をゆだねるのも良いが

こういう 修行に近い海水浴も 悪くはない

 

 

 

 

 

ガリシアの冷涼な海を ご挨拶代わりにお届けします

 

 

オリンピック

在仏ではあるが

結局 フランスで視聴率のとれない試合は

放映されないし

ネットを駆使して結果にアクセスする程度

 

大体 今日日本が金メダル獲ったんだって!というところを

「金賞受賞したんだって!」 と言って 夫に訂正をくらうくらい

そんなにスポーツには興味がない非国民寄りの人間だ

 

 

だが 開会式は違う

 

懐かしい風景に思い出を重ね

娘の在りし日に涙し

 

フランスという国の文化の奥深さを思い知り

 

最後の難病と闘っているはずの

あのセリーヌ・ディオンの歌で

私は声を出して泣いた

 

賛否両論ではあるようだが

それでも話題が尽きぬ演出に

さすがおふらんす!

さすがパリ! だと

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