陶片遊びⅥ | 呑める器ならなんでも

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呑める器とお酒と美味しいものが好きです。

 こんばんは。梅雨になってしまいました。ご無沙汰しており申し訳ありませんでした。

 最近、長年の懸案であった呼び継ぎですが。ついにデビューしました。
なんか大袈裟ですねぇ。
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径7.0cm 高4.4cm
  十年前に入手した初期伊万里鎬杯の陶片です。金継ぎは昔からやっていたのですが、呼び継ぎはハードルが高くて躊躇していました。きっかけは忘れたのですが
呼び継ぎにトライしようと思い立ち、入手したものです。
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 呼ぶ相方は、これでした。「さて、とりあえずパーツのカットだ。」とホームセンターで某国製の安いルーターを購入しました。
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 やってみました。結果はこうです。呼び継ぎの知識はなく、ルーターでパーツをカットするぐらいしかわからず、付属の円盤状の砥石みたいなものでやりました。
1時間ぐらい格闘しましたがルーターのトルクが弱く焼き付いてしまいました。
右に変な切れ込みがありますが、それが激戦の結果です(笑)。
こんな感じで挫折してそれから10年、この状態で放置プレーでした。

 昨年末ぐらいに突然スイッチが入ってしまいました。
今回は道具もきちんとしたものを揃えました。ブログ友の雪月亭主人様にアドバイスをいただきました。その節はありがとうございました。準備万端です。
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 やっちまったなァ~。ニュウが入っていてカットする途中に、ぽろっと落ちてこの状態です。内側も溶着が激しく、うまくカットできても私の技術では無理だったでしょう。
即、スイッチ!オーフ(笑)。
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 高4.3㎝
 先日、いつもはお気に入り登録の出品者様のページしかチェックしないのですが、
何故かネットオークションの伊万里のカテゴリーページを開いて眺めていました。
左の鎬の陶片が出品されているのに出会ってしまいました。
「きたーっ!!」(笑)。
先行の入札者の方が、おひとりいらっしゃったのですが、こればかりは譲れません
覚悟をもって札を入れました。幸運にも私の手元に・・・・・。
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 きれいな陶片でした。鎬もシャープで端正なものです。
陶片のレベルとしては右のものよりも格段に上です。
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 「きれいな陶片カットしちゃっていいのかな。」とか「むしろ左を母体にしたほうが・・・・。」などと思ってしまいました。
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 何とかカットして継いでみました。左にニュウがあるのを確認していました。
前回の経験が生きて、パーツが3つに分かれましたが、取り乱さずにカットできました。
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 継ぐにあたって気を付けた事は、鎬の連続ができるだけ不自然にならない事と
器体の厚みが違うので器の外側のラインを合わせる事の2つでした。
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幸いにも、両方の径がほぼ同じだったので口辺のラインは完璧に合いました。
嬉しくて継いだその晩、呑んでしまいました(笑)。
(接着剤やポリパテには人体に有害なものが含まれているので、子作りなどの予定があるような、若い方は伝統的な漆を使った方法をお勧めします。)
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 金で仕上げました。ポリパテの接着部分が広くなってしまいました。
陶片には十分な余裕があったのですが、前述のポイントばかりに気を取られてしまい、こんなことになってしまいました。ベテランの方ならぴったりと合わせて、もっと
素晴らしいものになっていたことでしょう。後の祭りです(涙)。
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 径5.8㎝ 高3.8㎝
 この杯のチャームポイントはそのサイズです。鎬杯は通常左ぐらいの、5センチ
から6センチ前後のものがほとんどだと思います。7センチぐらいのものは数パーセントぐらいだとか聞いたことがあります。
勝見充男さんの著書に登場する鎬杯が有名ですよね。昔からあんなサイズのものが欲しいと思ってきました。昔、お店の御主人に状態の良い大振りの鎬を勧められたことがありました、十万を軽く超える金額に尻込みしてしまった記憶があります。
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 無理をしてでももらっておけばよかったと後悔しましたが、私のような貧生には
これぐらいが分相応というものでしょう。
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 今日の揃えです。新羅土器と美濃灰釉豆皿と並べてみました。
技術的な問題は多々ありますが、初めての呼び継ぎが出来ました。
満足感は大きかったです。
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   これで呑みながら思ったのですが、今回は陶片に呼ばれてあのオークションページを開いたのだなあと。

 すみません、張りきりすぎて、長々となってしまいました。
それでは今日はこのへんで。