Running
人は人生を躊躇わない
ただただ死に向かって走るだけの人生を
人は走り続けている
走って走って走り続けて人生を終える
それを躊躇うことなく
意義のあることだと信じ続けて走り続ける
走ることをやめたとき人は死ぬ
躓いたとき人は心が死ぬ
ただただ走るだけの人生なのに
なぜ感情が必要なのだろうか
ただただ死に向かっているだけの人生に
傷つくことの意義を感じない
人は傷つき死んでゆく
躓いて心が死んでいる人に傷つけられて死んでゆく
そして私は一人思う
ただ走るだけの人生に傷つく必要はない と
走れなくなって死ぬまで
傷つかないで奇麗に死にたい と
美しく走りきる人生に異議はない
けれど美しく走りきったら
感情を棄てて走る人生は
人生じゃない
それは―
色々な走り方をしている周りの人にはむかっている哀れなゴミ
だから人は走りきる
人生という名の路を