清らかなお座替わり
折伏のことしの目標が発表されましたが、ちょっと聞いてみると、たいへんなようでありますけれども、私から言わせれば、そんなに、たいへんな数でもないと思う。要するに、今、三十万ある世帯が三十万増し、合わせて、ことしは六十万にしようというのですから、皆が今月じゅうに一世帯折伏すれば、来月から折伏すれば、しかられることになる。
いままでは、折伏しろしろと言っていたのが、そんなにするといけない、だれが、そんなにしたのかということになる。あまり心配したものではないと思うから、まあしっかりやってほしい。
ついで本日、御法主猊下が、もったいなくも学会本部へお出ましくださいまして、御引退についていろいろとお話しくださいました。この水谷日昇御法主上人は、過去十年間、猊下の座につかれて、今日までの盛大なる御本山を築いてこられた方であります。じつにごりっぱなお方であります。
だいたい、今月の八日に参議会にかけて、次の法主猊下が立たれるわけですが、だいたいいうならば、いや的確にです、常泉寺の堀米日淳尊能師が、六十五代の御法主をお継ぎになるということであります。それは、じつにめでたいことであります。どこにおいても、お座替わりの時は、次の猊下の定まることで、いろいろゴタゴタと問題がおきるものであります。わかりもしないくせに、信者がいろいろ策動したこともあったのですが、このたびはそういうこともなく、ひじょうにめでたいことであります。ことしは、ひじょうに清らかな御法主猊下のお座替わりであり、まことにめでたいと思う。
御法主上人は凡夫であります。だから、いろいろな癖をおもちです。不思議なことには、法主の座につかれて、一、二年もたつと、御人格がすっかり変わられる。そして崇高な、清らかなものになる。これは不思議なことであります。
代々の猊下にもいろいろな癖があり、癖というものは変わるものではありません。今の御隠尊猊下・日亨上人は、ガタガタと金槌の音がして、建築さえあそばしていれば、ごきげんがよろしいといわれる凡夫の姿でありますから、いっこう、さしつかえないのであります。
昭和31年1月31日
本部幹部会
豊島公会堂