将来は近代的仏教建築を

 

 このたびのご奉公は、なにもわたくしが個人でしたのではありません。学会の登山者会員が、なんとかしたい、この一念の信心からご奉公申しあげたことで、これはとうぜんのことです。ただ、この由緒ある建物が、くさるにまかせているのを、見るにしのびなく、わたくしが呼びかけた。学会はいつでも、このような信心からの気持ちでいっぱいです。

 

 ただひとつ残念なことは、お坊さん方が古い考えに支配されて、仏教建築というと、いつでも鎌倉いらいの形式の建物でなければならぬと思っている。ほんとうは、わたくしは、今度は、てんじょうもこの二倍ぐらい高く、ご仏前もうんと近代的にしたかったが、そこまで金がなかったから、今度はいたし方ない。今度やるときは、うんと近代的にしよう。

 

 ここの御本尊様は、御開山様おしたためだが、じつにりっぱな、すごい御本尊様です。このありがたい御本尊様を、みな良く拝むように。

 

昭和29年5月1日

蓮蔵坊落慶式

総本山大石寺蓮蔵坊