価値論を教育界へ
この学説を、日本の教育界へ送ったならば、恩師がさぞ喜ばれるであろう。また、日本の教育界に、どれほど役立つであろう。認識と評価が、あらゆる教育法に応用されるのである。この認識論と評価論に基礎をおいて教授したら、すごいものだ。
牧口先生は、理路整然と、カントを破していられる。いま初代といい、二代といい、天下の学者にいどんでいるのです。本物でなくて、どうしてこれだけのことがいえよう。
アメリカ式にあらずんば、教育でないと思っている日本人の卑屈性を破し、日本にこの教授法あり、この教育学説ありとの民族意識が必要であり、これは教育者のとうぜんのつとめでもある。どうしても、この偉大な価値論を後世にのこしたい。牧口先生は、カントを破し、わたくしは天台を破したいと願っている。
どうか、みなさん方も、本腰をいれて、おおいに研鑽していただきたい。
昭和28年9月16日
教育者クラブ第二回研究会
神田旧学会本部