戸田城聖全集第2巻 講演集1965年
昭和32年4月保田妙本寺帰一奉告法要で講演
昭和32年9月,若人の祭典で原水爆禁止宣言「使用者は魔物でありサタンである」と・横浜市三ツ沢競技場
昭和29年1月2日、総本山理境坊で最高幹部が戸田先生を中心に新年初の行事会
昭和32年4月、少年少女の集いで「久坂玄瑞のように勉強するのも大事、高杉晋作のように自分の好きなまま生きるのも大事。そして国家民衆のために戦っていきなさい。日本人は秀れた民族です」と指導・学会本部
昭和32年9月、若人の祭典でグランドに出て学会魂(棒倒し)を観戦・激励をする先生
昭和32年9月、週刊朝日連載「問答有用」の徳川夢声氏と対談・学会本部
序
先に、初代会長牧口常三郎先生の全集を世に贈り出し、つづいて玆に、恩師、戸田城聖先生の遺された思想を、「戸田城聖全集」として、刊行し得たことは、重ね重ね、私の歓びとするところである。
戸田城聖先生は、末法今日における、折伏の大指導者であった。故に、東洋哲学の真髄たる日蓮大聖人の仏法、すなわち色心不二の大生命哲学を、論文に、質問会に、指導会にその他、様々な機会に、わかり易く現代的に、指導されたのである。
恩師戸田先生が逝去されたのは、昭和三十三年四月二日、時あたかも法華本門大講堂の慶祝総登山の終わった直後であった。
恩師は、いっさいの願業を成し遂げられ、霊山にかえられたのである。
当時、世人は、なかんずく宗教界は、戸田先生の死によって、創価学会は崩壊するであろうと、嘲をもって見ていた。しかし、私を中心とする、学会の美事な団結は、それらの愚昧なる批判を、雲散霧消させたのである。その団結の根底をなしたのが、戸田先生の思想であった。
私はかつて、恩師亡きあと、全学会人に、全民衆に、そして後世の人々に、正しい仏法のあり方と、真実の学会精神の姿を、遺すことを期して、師の教えを単行本、レコード等に刊行した。それらが、信心の糧となり、全学会人にどれ程の勇気と希望と確信を、与えてきたか計りしれない。現在に至るも、戸田先生の思想は、学会人の信心の骨髄となって、脈々と生きつづけている。それあるがゆえにこそ、学会は強靱であり、無限の未来性を有するのである。
玆に、新ためて恩師の全思想を網羅し「戸田城聖全集」全五巻を出版し、後世の指針として伝えんとするものである。内容は、巻頭言集、論文集、講演集、講義集、質問会集、その外、戸田先生を中心とした座談会、小説人間革命、和歌、書簡等、また学習塾・時習学館当時の教材である指導算術等が収録される。これらは、いずれも学会の指導の根底をなす思想であり、広宣流布達成への指導の根本であり、原典ともいえる。マルクス・レーニンの全集が、唯物思想の根底となっているように、「戸田城聖全集」は、色心不二生命哲学の思想全集である。
人間革命の思想、王仏冥合の思想等は、今や、われわれの、力強い実践によって、その証拠を示しつつあり、日本民族ならびに世界人類の繁栄と平和のために、厳然と打ち樹てられようとしている。
本全集によって、学会人は、勿論のこと、真実の幸福を望む求道の士が、日蓮大聖人の仏法、創価学会の指導理念を理解し、奮い立つことを確信して止まない。
昭和四十年九月二日 創価学会会長池田大作
原版の辞
恩師戸田城聖先生逝いて三年。巻頭言集、論文集につづいて、第三巻目の講演集上巻を発行する運びとなったことを、わたくしは心から喜ぶものである。
いまや創価学会は、全国百九十万世帯を越え、日ごと月ごとに激増の一途をたどっている。しかも、その会員は、恩師の教えを慕い求めているのである。本書の出現が、いかに多くの会員に、深い仏法哲理を教え、学会の伝統を伝え、日々の生活に確信と情熱をあたえるかは、想像に絶するものがある。
本書は、恩師が各所でなされた講演を集録したものである。春秋二回行なわれた本部総会、毎年の男女青年部総会、各支部ごとに行なわれた支部総会をはじめとして、毎月の幹部会や、折にふれての会合における御講演を集録した。いわゆる御書や経文の講義に属するものを除いて、大小を問わず、年代順にまとめたものである。
とくに、この上巻は、学会草創期におけるものであって、敗戦の混乱期に、焼け野原に、たった一人立ち上がられた大師匠の雄姿を仰ぎ、一言一句に、救国の大精神を噛みしめて、学びとってゆかねばなるまい。
会員諸氏は、草創期の辛酸を知らずして、隆盛期に入信したものが大部分である。恩師が、どれほど苦しみ、身心をくだいて、今日の学会を築いて下さったか。その御恩を知るためにも、学会建設の歴史の背景を忘れずに、この書をしっかり読むべきである。
恩師の教えは、汲めども汲めども尽きない深い泉のごときものである。
願わくば、会員諸氏は、よろしく本書を熟読玩味して、少しでも恩師の心の琴線にふれ、広宣流布の大願に奮い立つ闘士として、活動の根源の力を得られんことを祈って止まない。
昭和三十六年五月三日 創価学会会長池田大作
原版の辞
世界の現状をみるに、国際間の緊張は頓に高まり、全民衆が動乱の危機におびえおののく姿は、まことに肺腑をえぐる悲しみである。
今日の暗黒の世に光明を与え、真実の平和のために戦っている唯一の団体こそ、わが創価学会であり、いまや全世界に二百十数万世帯を数え、力強く前進している。
この時にあたって、恩師戸田城聖先生の全人類救済の大獅子吼たる講演集下巻を発刊できたことは、なにものにもまして、私の喜びとするものである。
大師匠逝いて三年余、学会の大発展によって、恩師の正義は、あますところなく証明されたのである。
本書は巻頭言集、論文集、講演集上巻につづいて第四巻目にあたり、昭和三十年一月より、昭和三十三年四月、霊山にお還りあそばされるまでの恩師の各種の御講演を集録したものである。
恩師は、日本の潮として全国に拠点を確立され、三類の敵人、三障四魔を断固粋砕されつつ、小樽法論に、炭労問題に、王仏冥合の戦いに、着々と大勝利をおさめられた。さらに七十五万の折伏達成、大講堂建立等と、心身をすり減らされて広布実現のために戦われた。
この間、会員の幸福を願われる大慈悲は申すにおよばず、原水爆宣言等に拝するごとく、民衆の苦悩に深く思いをいたされた大精神を、全会員は心肝に染めて知ってゆかねばなるまい。(私見:あなたは何様か!)
願わくは、会員諸氏は、この恩師の永遠不滅の大指針、大原理を心に刻んで、一段と奮起し、剛毅なる精神をもって、世界平和に、人間革命に、躍進せられんことを切望する。
昭和三十六年十月十二日 創価学会会長池田大作
原版の序
往昔、釈迦牟尼仏に弟子阿難ありて法華経が著述せられ、天台大師に弟子章安大師ありて三大部が記述せられ、我が宗祖日蓮大聖人に弟子日興上人ありて御義口伝が遺録せられた。今、創価学会は二代目会長戸田城聖先生に弟子三代会長池田大作先生ありて、先に巻頭言集ならび論文集を刊行せられ、ここにまた講演集を出版せられた。
まことに正法の師資の情は、古今東西を通じて、その揆を一にすると申すべきであると、感嘆する次第である。
故戸田前会長は、その生涯は必ずしも長からずとはいえ、その偉大なる宗教心は熱血となって、あの論文に、あの講演に、脈々と奔流して、人々を救わなければおかない気蓋が籠っているのである。
学会員の『信ずる者は常に勝つ』という、あの熱烈なる感激は、この講演集を読むとき、一層の真実となって光を増すことであろう。一般の世間の人々も、この講演集を一読あって、人生の意義を感じ、速やかに本仏の慈悲に浴して、生死のきづなをきり、三界の籠樊を出でられんことを望む。
昭和三十六年四月八日 総本山六十六世日達
凡例
一、本書に収められた講演集は、戸田城聖先生在世中「聖教新聞」「大白蓮華」「価値創造」等に掲載されたもので、昭和三十六年五月三日発刊の「講演集上」と、昭和三十六年十月十二日発刊の「講演集下」とを原本とし、「戸田城聖全集」全五巻のうち第二巻として編集されたものである。
一、本書は、読みやすくするために、原文の意と文体をそこなわない程度に、当用漢字、新かなづかい、新送りがなになおした。
一、日蓮大聖人の「御書」の引用文は、創価学会版「新編日蓮大聖人御書全集」に拠り、原典のページ数を付した。
一、法華経の引用文は、日蓮正宗・大石寺第六十六世細井日達上人の編集による「真訓両読、妙法蓮華経並開結」大石寺版に拠った。
一、巻末に人名(経文に説かれた仏、菩薩等も含めた)、一般事項、仏教用語、書名、引用文等の索引を付した。
一、なお、会合別(本部総会、幹部会、入仏落慶式等)の索引も付したので活用していただきたい。