凡 例
一、会長戸田先生の教学部一級講義(方便品寿量品の講義)は法華経の元意を余すところなく説き尽された劃期的なものであるが、本書はこれをかんたんにまとめたものである。主に大白蓮華六十号~六十五号掲載の分と、同じく大白蓮華六十八号~七十三号掲載の分とを用いた。
一、文上の読み方と、文底の読み方とに分けた。文上の読み方とは、釈迦仏法の読み方で、天台の法華文句などを根拠にしている。文底の読み方とは、日蓮大聖人の仏法の読み方で、大聖人の本因妙抄、百六箇抄、御義口伝、日寛上人の六巻抄等に明されている。講義の眼目は、もちろん文底の読み方である。
一、第二、第三の通解は大要がわかるようにまとめ、第四、第五、第六、第七の講義は一級講義の大旨を変えずにまとめたものである。
附録には両品の真訓両読と語訳を入れ、語訳は語句を通じて大旨がわかるようにつとめた。
一、頁数を引用したのは、創価学会発行の新編日蓮大聖人御書全集による。
一、文中に講義が重複しているようでもあるが、これは、第一に、一級講義はいずれの回 (大体七回で完了) においても独立してわかるように説かれ、第二に、その講義の大旨を失わぬようにまとめた理由による。
一、短時日の間に急いでまとめた上、編者の未熟によって、珠玉の如き会長先生の御講義に疵つくことなきやを恐る。なお不充分の点は追って他日を期することとする。
一、本書の発行にあたり、戸田会長先生は申すに及ばず、小平教学部長、山浦教学副部長を始め学会幹部の諸先輩から寄せられた御指導と御鞭韃に厚く感謝の意を表します。
昭和三十三年二月日 編 者 識 す