昭和二十七年
江東総支部第一回総会(昭和二十七年二月十日 東京・常泉寺)
信心と折伏で大功徳を
きょうは、めんどうな話はいたしません。めんどうな話が聞きたかったら、金曜(講義)においでください。わたくしは日蓮大聖人様のおおせと、自分の確信以外は話しません。
和泉君の総支部長就任は、学会の大きな試みであります。江東四支部に求める人材、和泉君は、牧口門下で、わたくしの門下生ではないにもかかわらず、戦地から帰還以来、数年間の学会から離れた遅れを取り返さんがため、わたくしの法華経の講義を十回聞き、その十回の変わりをいちいち聞きわけたほどの秀才であります。
和泉君は、わたくしの門下でなかったにもかかわらず、夫婦ともに真心こめて、じつによく仕えてくれております。これは、わたくしが末法七百年における折伏の指導者であることを信じきっているからであります。
この和泉君を中心に一致団結して、七百年の時機を逃さず、成仏の大功徳をうけてください。
初信後は、過去世の謗法の罪が出ます。これを戦いつくして、ほんとうの成仏の功徳をつかみ取ってください。
一例ですが、いま、考え合わせると、二十五、六年前に折伏した長屋のおかみさんが、いま一億の大財産を信心ひとつでつかんだと聞いて驚いた。これ成仏の証拠であります。初信の功徳は法力の証拠であって、成仏の証拠ではありません。成仏の証拠は、このおかみさんのように、死ぬまでに生活のうえで大きな功徳を受けることであります。
この成仏の証拠をつかむ方法は、大御本尊様を絶対に信じきること。いかなる願い、いかなる祈りもかなわざるはない。
次に折伏であります。じつに骨が折れて、そのたびごとに文句をいわれる。これで罪障を消して、成仏の功徳をつかむことができる。
わたくしはあすで満五十三歳となる。この前夜、こうしてみなさんにお目にかかって、折伏しろというのはあなたたちのためで、しかも日蓮大聖人様にお目通りするには、これ以外ないのです。
折伏は戸田が師匠であります。師弟の縁が決まった以上、罪はわたくしがきる。みなさんは、幸福になりなさい。わたくしは、いままで日蓮大聖人様へのお約束を果たさなかったがために、万々の罪をうけました。今後死ぬまで、このからだを御法のために捧げます。
みなさんは信心まっとうにして、功徳をうけなさい。次は、折伏に励んで、日蓮大聖人様にお目通りしなさい。
この総支部長のもと、信心と折伏をもって、戸田の一門として通しなさい。
(昭和二十七年二月十日 東京・常泉寺)