(六)、三五教


 三五教はアナナイ教といい、源は教祖中野与之助で大本教の出である。今のPL教団、生長の家、お光り様の世界メシヤ教などは、いずれも出口王仁三郎を開祖とする大本教から派生し、みな大同小異の教理である。
 三五教は宇宙の本体をもって猶一真神として、これを国常立大神ととなえ、その下に八百万の神や世界の各宗祖四十八柱をまつっている。
 三五教の三とは本教(鎮魂帰神の神法)と、中国の道院(世界紅卍字会)と、旧ペルシャに生れたパハイとの教を合した三であり、五は世界のあらゆる宗教を大別して、基、仏、回、道、儒とした五つであり、これを融和した万教帰一の教だという。また三と五とは、陰陽を結合した万有の原動力を現わすのだともいうが、これらの宗教は皆生命観も違い、教理も違うのであるから救われ方も違う。万教帰一といえばきこえは良いが、たがいに矛盾した教義を帰一させる事は土台無理。
 

 また天文台を各地につくり、宇宙大精神を明らめ、神意を汲みとるといって、霊主体従の関係で科学を進歩させるベきであると主張し、「鎮魂帰神の神法」といって、朝夕、石を目の高さまで上げ、三十分ほど「鎮魂」という無我の境地にはいる修業をやらせる。これは生長の家の神想観と同じこと。また目先だけの現世利益をとかず、個人の救済を主としないというが、それでは一体誰がいつ救われるのだろうか。