戸田城聖全集質問会編 197 主人が怨嫉謗法

 

〔質問〕 主人がダッソでしたので信心しました。地区部長が三か月でなおるといいましたが、そのとおりに三か月でなおりました。ところがあまり信心を一生懸命しないもので、いまは主人が怨嫉が多くてしようがありません。怨嫉謗法はどうしたらやめさせられるでしょうか。

 

 ご主人があなたをりっぱな女だと、そう思っているとでも思うのですか。たいしたいい美人とも思えませんし、それほど奥さんが偉いとは、私には思えませんが、自分がばかでそして美人でもない、私は悪い女子だと、こう肚を決めたらどうです。そうすれば怨嫉は起こらなくなります。

 これは阿含部でありますけれども、小乗教で、法華経ではないのですが、玉耶(ぎょくや)経という経文があるのです。これは低い経文でありますが、ある金持ちのだんなさんが、悪い嫁をもらったのです。その嫁というのは、とても意地が悪い。そしてだんなさんをいじめる、親のいうことはきかないのです。こんな嫁をもらったら始末が悪いです。そこでお釈迦さんにきてもらって、説法をしてもらったという話があるのです。それは玉耶という夫人です。これを名づけて玉耶経というのです。

 そうしたところ、お釈迦さんのいうのには、おもしろいことをいったものです。女には七色の女がいるというのです。そのなかで、これはいちばんたちの悪いほうです。七色というのは、玉耶経を開けばわかりますけれども、妹のような女房もいるし、お師匠さまのような女房もいる、夫を食うような女房もいると。七種類の女の人の種類をあげています。経典というのはおもしろいものです。読んでみると、そのうちこの女子はいちばんたちが悪いほうであります。そこで玉耶が心を改めて、ほんとうによい女房になったという経典があります。

 いまの奥さんは、自分はなにも悪くないという、自分はちっとも悪くない、みんな人が悪いのだという。だが、そんなばかなことがあるものですか。自分が悪いから、世の中が悪くしてくるのです。自分がよければ、世の中はよくなってくるのです。自分がよくして、世の中が悪くなってきたらケンカです、こちらは強いのですから。

 だから、よく考えてごらんなさい。このなかに、ずいぶん女の人もいるようだけれども、私はきれいだ、私はいいと思っているのではないのですか。