戸田城聖全集質問会編 176 炭鉱の経営不振

 

〔質問〕 信心してから炭鉱を経営して、七百万投資して五百万損をしました。今後どのよう にしたらよいでしょうか。

 

 私は、八卦(はっけ)()ではないから知らぬが、なにゆえに失敗したか、それはだまされたのか、不景気なのか、よく考え、だまされないように考えて仕事をやりなさい。これは福運の問題で、御本尊様にお願いすると、すごく損をすることがあります。これはやめよということです。

 私のいなかに、佐藤という人がいました。文字もなにも知らない漁師でしたが、すごい福運をもっていました。漁場は年間、不漁つづきでしたが、佐藤の漁場だけは、いつもニシンがよくとれました。ほかの漁場は失敗し、佐藤に譲り渡すと、またそこに、ニシンがくるようになったのです。日露戦争のとき、ボロ汽船を買わされ、漁場をぜんぶ売り払ってしまいました。

ところが、欧州大戦で鉄があがり、三千万円の大もうけをしました。子供は福運がなく、その金を四十前で、ぜんぶなくしてしまいました。

 福運のないものは、どうするか、ここに問題があります。福運は現世でつくり、現世で刈り取るようにみえますが、そうではありません。過去ですでに決まっているのです。永遠の生命論は、仏法の根本哲理であります。過去に福運の種を植え、今世に刈り取るのであります。二世三世、過去の福運を、鉄管で引き出すのであります。それは、御本尊のお力によるのです。炭鉱等は福運の問題ですから、しっかり信心してやりなさい。