戸田城聖全集質問会編 158 会社乗っ取り
〔質問〕 信心している人が、ある会社を乗っ取って、盛大にやっています。それをどのように解釈したらよろしいでしょうか。
長い目でみませんと、結論はでません。不当な手段で他人の財産をとって、いくら末法とはいえども、これで盛大に繁盛している、これでおしまいがりっぱというわけには、それはいかん。そうはなりません。
私と同じに、牧囗門下の高弟として、いっしょに牢へも行った男でありますけれども、その後、退転して、どうやって金ができたか、私にはその事情はわかりませんが、ちょっとりっぱな文化住宅というようなものをこしらえて、おととい死にました。その家に入れないで死にました。そして胃袋をとって死にました。その間、十三年かかっております。
結論からみれば、どう解釈してよいか。解釈の仕様がありません。他人のことよりも、ただ自分のほうだけちゃんとしていきなさい。
だが、それが私の関係の会社だから取り返したい、というのなら別です。どう取り返していいかと、それはまた話は別です。
私も会社をとられた覚えがあります。私が牢へ行っているあいだに、いま売ればちょうど一千万円以上に売れる会社なのです。それもたくさんとられたなかの一つですけれども、とった男は、金を残して、奈良見物にいって、卒倒して死んでしまった。どちらが得なのでしょうか。
そのようなもので、取り返すとなると。また話は別なのです。それを夫婦して「とったからとったから」とイライラしていたら、自分のほうが負けてしまいます。自分のほうがとったと同じことの報いを受けてしまいます。
だからとらしてやりなさい。そして自分のものなら、男らしく取り返しなさい。それでいいではないですか。