化儀に関する質問

 

戸田城聖全集質問会編 57 数珠について

 

 〔質問〕 お数珠について教えてください。

 

 念珠は、仏教では百八煩悩と申しまして、百八つの煩悩があることになっています。そこで四天王を加えて、四つ珠を入れてあります。ところが、日蓮正宗では四菩薩になります。

 おもしろいことに、上の三つは頭と両手になります。下の二つは、両足です。真ん中からもじると交叉したところがへそです。これは、人間の体ではないですか。しかも、百八煩悩をもって、その煩悩を断ち切るためには、勘定するということになるのです。

 まだおもしろいことに、計算器になります。そろばん珠です。そろばんになっているでしょう。

 

 むかしは、平安朝時代は念珠はなかったのです。釈迦時代にも念珠はありませんでした。だから小豆の玉で勘定したのです。念珠、仏を念ずるということです。それが、このようなそろばん珠ができてきて、今度は、ここでもって計算していくのです。何回でもできます。それが念珠の本源なのです。釈迦時代にはなかったのです。それが、どこでできたのか、念珠経という経文もあります。ありますが、どこで発明されたかわからないのです。たいてい中国だろうと思うのですが、平安朝の時には、まだこちらにきていません。小豆できめるのです。何百やった、何千やったと、一回仏様に供えるたびに小豆をおくのです。そのうち虫にくわれてしまうと思うけれども、そういう歴史が伝わっています。これはそろばんの流れでしょう。

 おもしろいものを、よく作ったものです。東洋人というのは案外頭が良いのです。百八煩悩、それを助ける四天王、それを計算するそろばん珠、こう三角形になっているのです。