私は食事の度に「いただきます」とか、「ごちそうさまでした」の言葉を大切にするようになった出来事がある。

 

何年も経っているのだけれど昔、弟が作ってくれた何気ないクッキーがあった。

 

ダイエット中だったけれど毎日、こっそり職場に持っていって、

お弁当を食べた後の最後にクッキーをひとつ、楽しみにしながら食べていた日々があったこと。

それがアルバイト時代の密かな楽しみだった。

  

私は今、主婦になってごちそうさまの前に、「今日はデザートのフルーツはないの?」と夫からきかれて、はっとする。

 

そうだ、クッキーだよね。

 

弟は今、パティシエになってお店を持っている。

目に見えなくても、思い出は私たちを繋いでいる。