あの事件から一か月があっという間にたった。

あの日のことが嘘のようにあれから何もなかった。

ていうか、本当に嘘だったんじゃないのか?

あれから何回もズボンのチャックを開け閉めしたが何も変化なし。

真心さんとはあれからあいさつしかかわしてない。

もう意味わからないよね。

で、ただいま5月上旬。

一番後ろで、窓際の席。

みんなうらやましいでしょ?

はっはっは……

僕からしたらただクラスから存在を消されてるようなものだからね。

しかも隣の席なんて空席。

見た目が悪いという理由で一つ空席が置かれてるんだけど、

なぜかずっと僕の隣なんだよね……

僕は今もずっと窓の外を眺めて黄昏ている。フリをしている。

「はい、お前らー、GOOD NEWSだぞーぃ」

いつの間にか担任のクリストファーが入ってきた。

日本人とオランダ人のハーフ。でもなぜか英語が話せてオランダ語は話せないらしい。

因みに担当教科は生物。

キャラ濃すぎだよね。

「先生ー、GOOD NEWSって何ー?」

クラスの誰科が聞いた。

因みに誰科って名字だからね?

「入っていいぞー」

みんなが首をかしげる中、教室の扉がガラッと開けられた。

その瞬間、クラスは沈黙に包まれた。

なんでかって?見惚れたんだよ。

次の瞬間、クラスは沸き上がった。

なんでかって?興奮したんだよ。

両方僕以外ね。

入って来たのは女の子だった。

モデルかと思える美しいスタイル。

腰近くまで伸びる美しい金髪。

右目は深紅、左目は鮮碧の神々しい双眼。

「こんにちは!コスモスっていいます!よろしく!」

クラスがまたどっと盛り上がる。

「彼女はNYから来たらしく、日本での生活には慣れていないらしい。みんななかよくしてやってくれ」

先生が紹介し、みんなが口々に感動のセリフを述べる。

僕一人絶句していた。

何がNYから来た、だ。嘘つくな。

いや、やっぱり嘘ついたままでいいや。

死んでも「正義君の股間から来ました!」なんて言ってほしくない。

この日、僕はあの日が嘘ではなかったことをいやでも悟った