ひとりごと

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年末年始、結局読む時間が無くて。

読めたのはこの短編のみ。

今年もゆっくりゆっくりですが、よろしくお願いします。


 

 「泥の河」宮本 輝 作。

螢川は読めず。


昭和30年、戦後の大阪。舟で暮らす貧しい母子と少年の交流。


実は20年ぶりくらいの再読。宮本輝さん、大好きな作家さんです。

人の弱さ、強さ、逞しさ、醜さ、美しさ。生々しく描ききる。若い頃はそれが思わず目をそらしたくなるくらい苦しく感じられたのですが、年を取って深い感動に変わりました。


喜一のその後とか、考えると胸が痛くなるのですが、この時代の残酷さとかそれでも生きることの尊さとか。本当に人間を描いてると感じます。


自分のほうに受けとめる時間が無い時はなかなか読めないかもしれませんが。

それでも色々な方にぜひ読んで欲しいと思う作品です。

螢川のほうが読めなかったのが残念。

こちらもぜひまた読んでみたいです。

映画を観ました。途中から、ですが。

「漁港の肉子ちゃん」

 

 さんまさんプロデュースで話題になってましたね。ちょっとモヤモヤ。

以下、ネタバレ、批判あります。











まず、思ってたより良かったです。大竹しのぶさん、素晴らしい。さすがです。

きっと観た方は評判より良い、と思う人が多いんじゃないでしょうか。


でも。


なんか、モヤモヤしてしまって。たぶん、圧倒的な「母性」が前提としてあるように感じられるからかなあ。

肉子ちゃん、理想ですよね。全てを許して子どもに尽くす。(たとえそれが他人の子でも)それが「本能的」な母でそれに対して観客は感動する。


肉子ちゃんが男性で、息子だったらどうでしょう。女性にだらしなくてすぐ騙される、そこぬけに明るい肉男くん。彼には親友が置いていった息子がいて・・・。

息子、すぐ家出そうですね。観客も、置いていった親友より母親を責めそう。肉男くん、愛されキャラにするにはフーテンの寅さんになってもらうしかない。


つまり、女性は本能的に母性があって無条件に子供を愛す、その物語に観客が感動する、みたいな構図にいい加減うんざりしてるんだと思います。


家族を持たない孤独な人間同士が寄りそって新しい家族を作ってく、それ自体はいいんです。おじいちゃんの言葉には感動するし。

それなら、肉子ちゃんも人間として、暗い孤独も辛さも黒い感情もあって葛藤しながら家族になっていったらいい。聖母マリアを押し付けられると

うんざりしちゃうってことなんだと思います。


・・・なんか、疲れてますね。ゆっくり休みます。

だいぶ久しぶりになってしまいました。

なかなか時間が取れず、本も読めず。

ゆっくりゆっくり、気が向いた時に書こうかな、と思います。


「むらさきのスカートの女」今村夏子 作

 

 近所に住む「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女。彼女が気になってしかなたい<わたし>は自分の職場で働きだすよう誘導するのだが・・・。



面白い。短いので一気に読めてしまうけれど、内容は濃い。ただ、好き嫌いは分かれるかもしれませんね。

孤独、とか狂気、とか。でもそこにあるユーモア、笑い。何ともいえない後味。


この本が好きな人とは友達になれるかもしれない。でも、この本が好きな人は友達を欲しないかもしれません。


この作品の他にも読みたくなりました。

でもしばらくは読めないかな。年末の休み、帰省中の新幹線の中とか?無理かな・・・。