今年の3月頃、仕事の帰りにいつもと違う道を通って帰ったら...
おおっ!
ワンコ発見!!
私は猫はもちろん好きですが、
犬も大好きなので、さっそく近寄ってみました。
なんて可愛いんでしょうか
3月といっても今年の札幌は物凄い雪の量でしたので
そのワンちゃんはまだ解ける気配のない雪の上で
ブルブル震えていました。
※3月にこの雪はありえませんよね
私が子供の頃は小型犬以外はお外で飼うのが当たり前で
子供の頃に飼っていた犬も外で飼っていました。
でも最近のワンコは大型でもおウチの中で飼われてることも
普通になってきて、私も大型犬を飼うとしたら
やはり家の中に入れるだろうなと思います。
そんなこと考えてると、こんなに震えているワンちゃんが
なんだか気の毒になってしまい、
飼い主さん、このワンコを家に入れてくれないかな...
なんて余計なことを思っていました。
このワンちゃん、とても大人しくて全く吠えません。
いつも黙って撫でさせてくれます。
動きはなんだかゆっくりで、老犬かな...と思っていました。
それ以来仕事の帰りは必ずこのワンコに会い行き
勝手に「ブチくん」と呼んでました。
ブチくんはいつ会いに行っても私の顔をジーっと見るので、
「私のことそんなに好きなの?!」と有頂天になっていましたが、
よく観察してみると私を通り越し、更に後方をずーっと見つめ
いつ会いに行っても同じ方向を見ているような気がしてました。
通いだして、数ヵ月後。
ぶちくんに会いに行くと、おウチの方と思われるおじさんが
ぶちくんをお散歩に連れて行くところでした。
ぶちくんはこの日は足を引きずっていて
おじさんは「よしよし、あとで病院に行こうね」と言って
ぶちくんの足をさすっていました。
私はここの飼い主さんはあまりぶちくんを
可愛がっていないような気がしていたので
大事にされているんだなとホッとしました。
この時は急いでいたので
おじさんとは挨拶だけして帰りました。
そしてまた更に一ヶ月くらい後。
ぶちくんに会いに行く途中のお宅で、
60歳は過ぎてると思われる方々が
朝早くから井戸端会議をしていました。
よく見るとその中にぶちくんが紛れていました。
「あら~!」と私はすぐに駆け寄りました。
飼い主さんと思っていたおじさんもいたので、
そこでぶちくんのお話を聞くことができました。
ぶちくんの本当の名前は
「ゴンちゃん」だとその時知りました。
そして飼い主さんと思われたおじさん、
実は飼い主さんではありませんでした。
詳しいことはわかりませんが
どうやらそのおじさんはゴンちゃんが子犬の時から
15年間毎朝お散歩を担当しているとのこと。
ゴンちゃんをよく知っている別のおじさんが
「ゴンちゃんは飼い主よりもこのおっさんに馴れてるもんな」と
笑って話していました。
本当の飼い主さんは夜お散歩させてるらしいのですが、
飼い主さんはゴンちゃんに引っ張られながら
お散歩してるそうで、朝のお散歩担当のおじさんにだけは
ゴンちゃんはとても忠実だそうです。
お散歩だけではなく、躾もシャンプーなどのお手入れも
朝のお散歩担当のおじさんがすべてするそうです。
どうしていつも私が会いに行く度にゴンちゃんが
同じ方向を見ているのかようやくわかりました。
ゴンちゃんは毎朝お散歩担当のおじさんを
雪の日も雨の日も、じっと待っていたのです。
なんだか不思議な飼われ方だなと思いました。
でもその井戸端会議中もご近所のわんちゃんが
お散歩していると、「ゴンちゃんおはよう」と
声をかけてくれる奥様が数名、
通学途中の子供も「ゴンちゃん」と頭を撫でて
学校へ行く姿を見ました。
ご近所ではゴンちゃん、有名で可愛がられているようです。
それから私は何度もお散歩担当のおじさんに
会うようになりました。
いつも私と会うときのゴンちゃんは
静かにしっぽを振ってくれますが、
おじさんが来たときのゴンちゃんの反応は
物凄い嬉しさを表現しています。
おじさんも「ゴンちゃん♪」と顔を近づけて
何度も何度も撫でてくれます。
本当の飼い主さんにもお会いすることもありますが
いつお見かけしてもゴンちゃんを撫でることはなく、
ゴンちゃんもおじさんの時みたいな喜びを
表現していないように思います。
本当に変わった飼われ方だなと思うのですが、
ゴンちゃんは毎朝このおじさんとお散歩できる
楽しみがあるからのだから
ゴンちゃんは幸せですよね?
ゴンちゃんとお話できるならどう思っているか
聞いてみたいです。
幸せの形もいろいろあるのかなと思い
ゴンちゃんのことを記事にしてみました。