塾講師の語り

塾講師の語り

勉強法や教え方、塾のあり方などを書き連ねています。

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勉強法という言葉は小細工っぽくてあまり好きではないですが、勉強の方向性は定めたほうが良いとは思います。

で、我々が通常「勉強」と言うとき、目標となるのは入試でしょう。
スモールステップとして模試や学校の試験はあるかもですが、大きな目標は入試でしょう。
となると、当然その入試に合わせた勉強が最も良いということになります。
では、今の入試ってどんなでしょうか。

現行の入試制度というか試験内容や出題方式をそれなりに研究すると誰でも見えてくる事実ですが、本当に初見の問題は1割もありません。
9割の問題はどこかで似たようなのを見たことあるものばかりなので、正直ほとんど考えなくても答えが出ます。
さらに言えば、9割の大半は条件反射で答えが出るレベルです。
一見、見たことがなくても、実は既知の問題の組み合わせなだけというのもしょっちゅうです。
つまり、「考える」必要性のある問題が全試験の中でもごくごくわずかしかないのです。

となると、日本の入試を突破するのに必要なのは、しばしばメディアが言っている「考える」力ではないということになります。
必要なのは、いかに大量のパターンをストックするかなのです。
語弊はありますが、「知っていれば解ける、知らなければ解けない」精神で勉強していくのが一番良いです。
これは思考力が必要とよく言われる数学や国語でも残念ながら同様です。
日本の入試は、天才ではなく秀才が勝つようにできているわけです。

実際、高学歴なのに就職難という状況ができていますね。
かつては産業の進歩のスピードも緩やかでした。
その状況下では、先輩たちがノウハウを築く時間も、後輩たちがそれをストックする時間もありました。
そこで強いのはやはり、いかに大量にそのノウハウをストックできる人でした。
しかし産業の進歩スピードが文字通り日進月歩になった結果、先輩たちがノウハウを築くだけの時間はなく、仮にあったとしてもそのノウハウはわずかな時で通用しなくなり、ゆえに後輩たちは自ら考え状況に合わせて動く必要がでてきてしまいました。
その結果、今の学歴が通用しない就職状況になったのです。
現場で必要なのが知識ではなく、対応力、問題解決力など個人の力量そのものになったわけです。

話はそれましたが、社会で必要となる「考える力」と学歴は、残念ながら対応していません。
そこからも、学歴を生む入試制度に「考える力」が必要とされていないことがわかります。

だから現行の入試制度を突破するには、知識の方が重要なのです。
そして知識さえあれば、考える力がなくとも高学歴はGETできます。

さらに言うと、考える力というのは才能が深く関わってきます。
思考力の高低は多少は鍛えられますが、本質的には生まれながらのものだと思います。
ですから下手に思考力を鍛えて受験を突破しようとしても、私を含めた大半の凡人にはかえって無駄が多いわけです。
たとえば立体の切断などは大半の人はそれを立体のままイメージすることは困難であり、これは鍛えてもそれほど良くなりません。
しかし一方で無学でも完璧にイメージしてしまう才能を持った人もいます。
だから我々凡人はその立体を平面に落としたり、パターンで対応するわけです。
そうしていくことでとりあえず入試を突破することはできます。

実際自分は高校受験の時、数学が苦手を通り越して殺意芽生えてましたが、開き直ってパターンストックに特化して偏差値70はキープできました。
日本の入試は才能ではなく努力でねじふせるものだと思います。

日本の最高学府が、世界では微妙な地位にあるのもうなずけてしまう悲しい世の中です。