その日の報告はうまくまとめていなかった上に
書き込みし、反応を見ながらストーリーを考えていたので
報告と報告の間がやけに時間がかかってしまった

住人の中には報告が遅いのでヤキモキしている人も結構いたのだが
「電話が何回もかかってきてる」
と遅い言い訳をした

しかも上手い具合に功を奏して
それがその日の安価行動に対する苦情の電話だという展開になっていった

元カノと間男を山に放置して鬼畜な復讐をした>>1に対して
間男の友達が文句を言ってくる
そういう展開にできたわけだ
その友達には特にモデルはいなかったが
僕の嫌いな「いいやつを気取っているが実際には自分の正義にしかいいやつではない」そういうタイプだ

こいつは後に恥ずかしい女の子の前できんたまこりこりするエピソードが出てくるが
そのエピソードは実際の友人の黒歴史から採用した

そうしてスレは僕の予定を越えて続くことになった

次のターゲットはこの間男の友人だ
ここでもスレは復讐展開が望まれたので
それに沿った安価を出していく

この辺りから>>1と>>1の親友はその作戦を自ら考え出していく
住人が好みそうな、それでいて意表をつく、人を喰ったような展開を作る
かつ、安価を出してそれに見合うストーリーを考える

少々無理な展開に持って行ったけど
面白いことを重要視した

うまく話しは復讐展開が成功しスレはいい感じに伸びて
>>1と>>1の友人は賛辞を受けて終了することができた


僕は自分の考えたストーリーが賛辞を受けたことが単純に面白く、嬉しかったので
また、2日ほどしてこの>>1を使って次のスレをたてることにした
安価を把握し、メールを送るふりをして
来るわけがない架空の相手からの返信が来るかなとの時間にまた架空の返信を書き込みする


何回か繰り返していたけれど
僕ははじめてのことで間合いがよくわからず、おまけにタイプも遅かったので
僕が書き込みする間にスレ住人の間で軽いいざこざが起きたりしていた

今となっては「もっとやれ」だと思うし
非日常なことは大歓迎だが
この時は荒れたらどうしたらいいかもわからないので困ってしまった

幸いに僕が書き込みすると収まってくれたけれど
この時はまだ後のように>>1としての
カリスマ性もリーダーシップも獲得していない上に
まだまだ初心者だったのでかなりスレ住人たちに対しても
下手に出ていた

そうこうしているうちにスレの流れは安価メールより会って話す方向になって行った

ここで僕は住人の反応から二つの選択肢があり得た

一つは元カノとよりを戻す方向

もう一つは鬼畜に復讐する方向


スレの反応はどちらに向かっても大丈夫そうだったけれど

僕は自分自身の後悔からよりを戻す方向は選択するつもりはなかった


会うことになって安価を出した時も
それまでに僕の希望の方向をそれとなしに書いていたので
復讐する方向の安価に決まって行った

そして、翌日に会う話を考えて
話しの流れからうまく登場予定だった友達を登場させることができそうだった

友達は実際に僕の友達であるGをモデルに考えた

性格やスペックはある程度そのままだった

そして、翌日に僕は携帯からちょいちょい書き込み
スレが過疎るのをふさぎつつ夜を待った

昼間、仕事をしながら行動安価をうまく使いこなしストーリーを考える

この辺りは自分がこうやってやったら気分爽快だろうな
と、ストーリーを考えた


そして帰宅しPCに向かい、報告を始めたのだった
その時を選んだのは全くの偶然でたまたま暇だった

家に帰ると家族は寝ていたし
特にやることもなかった

僕は気分のままに思い付いた文章を打ち込んだ


簡単な経緯を説明する
簡単過ぎるくらいがちょうどいい

彼女を寝とられた話を簡単に書いて
更に簡単にスペックを書く

勿論架空の設定だ

しばらく地元を離れてて地方からの帰り、遠距離だった彼女に電話をする
すると別れを告げられる
電話の向こうでは男の声がする

これならば>>1は可哀想でかつタゲ
――この場合は彼女とその向こうに見え隠れする男だが――
に相当なクオリティの攻撃をしても正当性は得られるだろう

記憶は昔付き合っていた彼女が浮気をした事を思い出す
電話をした下りは後に登場する予定の「味方」である「ツレ」のモデルとなった
友達に実際にあった話を採用した


僕は昔、付き合っていた彼女が浮気をした後、後悔しないような行動をとることができなかった
また、「ツレ」がこのような電話があった時の「怒りにまかせた妄想」を実現できなかった

言ってしまえばそれらをここで再現し昇華させようとしたのかもしれない



スレを立てて何分かたち、更新してみる
すると、思いの外にレスが付いていた


安価メールするとの話にしていたので
安価を確認したレスをつける

現実に返信があった場合の時間を計り
その間にいろんな質問に対するレスを返す

意外と人がいたようで
この時の僕のタイピングの能力はかなり遅かった上に
安価も初めてだったし
こう、トントン拍子に進むスレも初めてだったので
かなりあたふたしてしまっていた

だが、こちらの思惑などわるで意に介せず、スレは伸びていく

とりあえず、僕は最初の架空の元カノからの架空の返信を考えた

まあ、常識にのっとって、かつ、自分が好い人を気取る
そんな奴ならこんな感じかな?

そう考えて架空の返信を書き込みする


そして更に安価を出して時間を稼ぎつつ
レスを返す


この後、3年に渡って続くルーティン作業が
この時、あわただしく回り始めた