自分の容姿と彼女をつくること。

中高生の頃の悩みと言ったら、僕たちはまずこれだった。

若ハゲに悩むやつは大いに悩んでいたし、正直彼女が欲しくて、何を失ったとしても、彼女ができれば、それが最高の幸福だと思っていた。

青春とは、容姿と彼女という、テレビにあって自分にないものとの格闘とごまかしの日々だった。

それでもきちんと自分の構想を実現して地位や金を得たものがゴールを踏むけどね。

 

残酷だったなあ、青春。

大人になってからの悩みより辛かったと思う。

 

中学のとき、なるべく彼女を得やすいと思われた不良仲間のグループに身を投じて、認めてもらいたくて万引きとかやった。

たいていの獲物は、盗む必要のないものだった。友達が好きそうな戦艦雑誌〇を万引きしてプレゼントしようとしたが、捕まってしまった。

学校の先生が迎えに来て、僕を保護した。親は呼ばれなかった代わりに、自分で親に今日の犯罪を報告するよう宿題を出した。

僕は本来成績のいい生徒だったので、先生は少し複雑な対応をした。

先生に聞かれる。でもまだ母には言ってない。次の日も、次の日も、聞かれる。僕はそう簡単にはつけない高濃度のため息の毎日。

僕がやせ衰えて参ってしまい、先生方は僕の自立に賭けて、今回は不問にした。

胃に穴が開いた。胃は元々穴だし、何が起きたのかもわからなかった。

残酷だったなあ。