巨大な岩で隔てられた二柱の神は、永遠の別離を交わします。



伊耶那美神が


「私はあなたの国の人々を一日に千人ずつ殺します」


と言えば、


伊耶那岐神が


「お前がそういうのなら、私は一日に千五百人の子を産ませる産屋を作るだろう」


と言いました。



伊耶那岐神と伊耶那美神が交わした誓いによって、この国では一日に千人の人が死に、千五百人の人が生まれるようになりました。



そして、伊耶那美神は、黄泉大神(よもつおおかみ)として、黄泉国に君臨する神となったのです。


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こうして伊耶那岐神は、無事に黄泉国を脱することができました。



しかし、安心する間もなく、振り返ると、怒りに燃える伊耶那美神が迫っていました。



伊耶那岐神は、黄泉比良坂(よもつひらさか)を出入り口を大きな岩で塞ぎ、なんとか難を逃れました。



そこへ追ってきた伊耶那美神と伊耶那岐神は、大きな岩を隔てて対峙することになります。



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ところが、続いて伊耶那美神から生まれた8つの雷神、そして、1500人の黄泉の国の軍勢が伊耶那岐神を追ってきました。



伊耶那岐神は、十拳剣(とつかつるぎ)を振り回しながら逃げ続けます。



徐々に差は縮まってきました。



しかし、伊耶那岐神は間一髪で黄泉の国と地上を隔てる黄泉比良坂(よもつひらさか)にたどり着き、出口付近にあった桃の実を、追っ手に投げつけました。



すると、追っ手の軍勢は、蜘蛛の子を散らすように退散してしまいました。



桃の木に宿る霊力により助けられた伊耶那岐神は、その桃の木に意富加牟豆美命(おおかむずみのみこと)という名を与えるのです。



つづく。



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