――そして、お前らが知らずに幸せな灰になったあとで...。
幼い頃、俺は「大人になんかなりたくねぇ」なんて大人ぶったことを言って晋助や小太郎と塾までの道を駆けた。
どうやら、俺に訪れた悪戯は相当タチの悪い不老不死のお節介。
この悪戯の意味を知らない俺は「神様素敵なプレゼントありがとう」なんて...。
みんなからすれば、到底的外れで。
幼い冗談の奥に隠した、みんなへの思いは察してはくれない。
俺を置いて歳をとっていく仲間たち。
松陽先生ももう居なくなってしまった。
どんどん大人になっていく仲間たち。辰馬っていう新しい仲間だってできた。
なのに――。
好きだった。大好きだった晋助、小太郎、辰馬にサヨナラを。
いつか見たあの夕焼けはあんなに綺麗だったのに。
ありがとうって伝えるにはもう、俺は穢れすぎてしまっていて。
お前らが知らずに幸せな灰になったあとで俺は今更、「ありがとう」って伝えてないって気づいたよ。
百年前の同じ日に、ばばぁが同じことを言ったんだ。
「銀時...お前さんの孫の...そうさねぇ、曾孫のその最後に、お前はまた一人になるかもしれないねぇ...」
移ろっていく季節。
今まで俺といてくれた松陽先生、晋助、小太郎、辰馬、神楽、新八、お登勢、たま、キャサリン、土方君、沖田くん、近藤、山崎くん...まだまだいるけど、お前ら全員の名に花束を...
いつか見たあの夕焼けはあんなに綺麗だったのに。
「ありがとう」なんて伝えるにはもう穢れすぎてしまっていて。
血が流れて、世界が灰になったあとで俺は今でも不意にお前らを思い出すんだ。
誰もいない。何もない。枯れ果てた世界で悪戯の意味を知ったよ。
臆病でも、今なら言える気がするんだ。
地球最後の告白を――
いつか見たあの夕焼けはあんなに綺麗だったのに。
「ありがとう」なんて伝えるにはもう穢れすぎてしまっていて。
感謝を伝えるには遠回りし過ぎたな...。
そして、何もかもが手遅れの灰になったあとで俺は今更。
「俺みたいなやつと一緒にいてくれてありがとう。俺みたいなやつと一緒にいてくれてほんとにありがとう。」
やっと言えたよ...。
