やっと診察室に呼ばれた私・・・
もう、何かあったのであろうということは、
想像はついていますが、
いったい、いったい、何があったの?
検査室の隣、
一枚パーテーションを隔てただけの診察室へ向かいます。
向かうのですが・・・
疲れていたこともあったのか、
診察室までが、とても遠く感じ、
先生の前にある椅子まで歩き、
座る動作すら、
スローモーションに感じました。
ようやく、先生が話を切り出しました。
「ウチで一番精密な機械が、5階の入院病棟にあります。
そこでもう一度、なるべく早く検査を受けてください。
お母さんの、言いたいことは、よく解ります。
でも、もう一度、なるべく早く検査を受けてください。
次は、いつ来れますか?なるべく早くがいいです。」
どちらかといえば、普段は無口な先生が、
私の聞きたいことには全く触れず、
けっこうな長文をしゃべったということに、
事の重大さを感じました。
普段は、
どんな時も良くしゃべる私の心の声も、
このときは無口になってしまっていました。
ほぼ、
思考停止状態の私に理解できたのは、
なるべく早く・次回の検査・いつ来れる?
『そんなん、明日って答えしかないやん。』
私の心の声がやっとつぶやいたと同時に、
「明日でお願いします。」と言いました。
先生が
「明日で、大丈夫ですか?」
私
「明日で大丈夫にします。」
「何時に来たらいいですか?」
私はこの時この返事しかできなかった。。。
でも、本当は・・・
何があったんですか?
何がおかしいんですか?
何が変なんですか?
どこが、普通と違うのですか?
先生は、どう思っているんですか?
どんな疾患の疑いがあるんですか?
何か疾患が見つかったから、今この対応ですよね?
この子は生きていけますか?
この子は無事に生まれてくることが出来ますか?
先生、なにかおっしゃって下さい。
今思えば、
私は、矢継ぎ早にそう発したかったんだと思います。
ですが、この時はもう、何もしゃべることが、出来ませんでした。
そして、何も考えず、
とにかく翌日の検査を待ちました。
入院病棟での精密なエコーの検査は、
長くて、つらくて、気持ちもしんどかったことを覚えています。
頭から流れるほどの汗をかき、
ハンカチタオルと水筒を持ってきてよかった・・・
と思ったことを、覚えています。
その精密なエコーから見える、
ちびたんの姿は、
今までとは、全く違うように見えました。
とても頑張って生きているように見えました。
『お母さん、ぼくは生きようとしているよ。』
『産まれたいと思っているよ。』
『お母さん、ぼくは頑張っているよ。』
そう言っているように見えました。
そして、その言葉に
どうしても答えてやりたい気持ちになりました。
お母さんは、
なんとしても、
ちびたんを世に送り出すからね。
なんとしても、
幸せな人生をちびたんにプレゼントしたいと思いました。
そして、長い長い検査が終わり、
先生が、おっしゃた言葉は、
「○○病院って、知っていますか?
お母さんの不安なお気持ちは、よくわかります。
でも今は、何も答えられません。
紹介状を書きますので、
そちらの病院で、もう一度見てもらってください・・・」
ななな、なんだとぉ~
ここまで検査して・・・
なんということでしょう。。。か
とてつもない疲労感に襲われたのを覚えています。。。
先生が紹介状を書いている間、
私はまた、診察室の前で、長い時間待ちました。
昨日から同じところで待ってばかりだ・・・
今日も、ここまで読んで頂いて、
ありがとうございます。
そんなちびたんは、
もう小学生、
私達親子は、
USJで行列によく並びますが、
このことを思えば、一瞬とすら感じます。