Saraの言の葉の世界

Saraの言の葉の世界

想いが言の葉を育てて
言の葉が、人を笑顔にするのなら
私は、寄り添うように
綴り続けたい

沢のほとり 物憂げに

ただ漂うしか出来なくて

 

夢魂のように 仄かに光る蛍は

哀しみに沈んだ

 

滂沱の泪も枯れ果てて

それでも空虚の心を

何かで埋めたくて

心のままに手を延ばしたら

 

欲するほど すり抜けていく幻が

目の前で何度も映し出されて

 

絶望と諦念を

交互に繰り返した日々

 

 

剥がされていく心 

裸になっていく思慕

 

雲居の月のように

まだ覆われていたかったけれど

霧消していく今宵の帳は

時を待ってはくれない

 

振り返らずに

過去の面影にそっと

さよならを告げた

 

もう、あの夏の蛍はいない

 

どこか寂寥の尾を引きながら

私は秋風を仰ぐ

 

 

 

 

2025 10 6 十五夜の夜

Sara