縁起瞑想の話からずいぶん離れてしまいました。

私の意見ですがそもそも「ない」と思ってみる瞑想は上座部仏教（小乗仏教）的な「この世は幻想である」と言うのを理解するためのものなのかもしれないなと思います。

やっとここから本題です（前置きが長すぎましたが）

結果から先に言うと、私が「ない」と思って見てみると逆にたくさんの「ある」が見えてきました。

例えば、私は手巻き煙草をたしなむのですが、これから吸おうとしている煙草を見て「ない」と思って見ます。

すると、今はこの形だけれどもほんの数分前までは、煙草の葉っぱと巻紙とフィルターはばらばらで、今のこの形では無かった。

さらに時間をさかのぼれば、巻紙はタバコ屋さんに運送屋さんによって運ばれてくるまではどこかの倉庫にあったわけだし

その前は、製紙工場で工場の人の手と機会で作られたのだし、その前は紙はパルプ（木）で作られているのだから、どこかのジャングルの木が使われているのかも知れない。

その木が育つためには雨が必要だし、木に育つためには土壌が必要、そもそも種も必要だ。

煙草の葉っぱにしても同じことが言える、煙草農家の人が育てなければこの煙草はここには無い。

http://robanokaguya.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-1463.htmlより引用

今度は時間を未来に向ければ、数分後にはこの煙草を吸い終わって、今のこの形では無くなっている。

さらに、時間がたてば燃えるゴミで出され、吸殻も焼却場で燃やされて灰になる。

灰になったあと、どこかの土壌になるのかも知れないし、風に運ばれて琵琶湖に落ちるかもしれない。

琵琶湖に落ちればそのまま流れて海まで運ばれるかもしれない・・・・

「ない」と思って見てみると、今はこの形を保っているけれども、その前にも後にも、この形では無いという風に見えてきて、すべての物事は流れの中にあってずっと同じようにとどまっているわけではない。

つまり、無常（常ではない）が見えてきました。

さらに、目の前の一本の煙草が私の目の前に現れるまでに、たくさんの物事や人とのかかわりが見えてきました。

つまり、一本の煙草を「ない」と見ることで、煙草にまつわる縁起が見えてきたのです。

これが大乗仏教の空の見方で、目の前の一本の煙草を見るとそこにはたくさんの「ある」があると言うことです。

煙草の葉っぱどころではなく、色んなものが詰まっているのです。

無常と縁起と空が同じものであると言うのが、一瞬わかった気がしました。

でも次の瞬間まだわかっていない、よくわからないという感じになりました。

これも、ただの私の意見ですが、目の前の有るものを無いと思ってみることで、矛盾が生まれその矛盾の解消のために脳が無理やりつじつまを合わそうとして、

「有るけど無い、無いけどある」⇒空＝縁起＝無常

という答えをポンと出してきたのかもしれないと思いました。

ただ、この解釈で良いのかどうか疑問符が残る、やっぱりよくわからないからだ。

永遠によくわからないという、気持ちの悪い「グニャグニャ」した感覚を持って生きているのかもしれない。

via しののめ気功施療院
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「ない」と思って見ると、たくさんの「ある」が見える。