ポトスライムの舟 (講談社文庫)/津村 記久子


AMAZONより
29歳、工場勤務のナガセは、食い扶持のために、「時間を金で売る」虚しさをやり過ごす日々。ある日、自分の年収と世界一周旅行の費用が同じ一六三万円で、一年分の勤務時間を「世界一周という行為にも換金できる」と気付くが―。ユーモラスで抑制された文章が胸に迫り、働くことを肯定したくなる芥川賞受賞作。



芥川賞受賞のわりに酷評されている作品。
たしかにインパクトは弱い…かも。
男性受けしないかもしれないが、主人公と同年代の女性に共感する人は多そう。


薄給の工場で働く独身女性。
自分の年収が世界一周旅行の旅行代金と同じだと気付いた時から
旅行代金を貯めようと貯金を始める。

大学時代の3人の友達の卒業後のそれぞれの人生も描かれ
何がいったい幸せなのかな?と考えさせられる作品。
津村記久子さんの作品はこの本しか読んだことが無いのだが
男性があまり登場せず、また出てきても悪役的な書かれ方をしている。
他の作品もそうなのかな?



「ポトスライムの舟」よりもパワハラがテーマの「十二月の窓辺」のほうがインパクト大!
作者もパワハラで苦しみ9カ月で会社を辞めた経験があるそう。
これほど酷くはないが、私も似たような経験があったためひどく身につまされながら読んだ。

小説のオチはゾッとするもので、驚いて再度読み直してしまうほどだったが
もう少し別の書き方は出来なかったな…と残念にも思った。



ポトスライムの舟、のほうは、ラストに主人公にある“幸せ”が訪れる。
人生捨てたものじゃないな!とほのぼのして読み終えられます。