夕方から降り始めた雨 リビングの窓からぼんやり眺めていた拓司
そこにバスタオルで髪の毛を拭きながら結紘がやってきて 冷蔵庫から缶ビールを取り出し一口飲む
「やっぱりお風呂上がりのビールは美味しいわ」
ソファーに体を沈めながら呟く
「親父か!」
拓司も缶ビールを飲みながら突っ込みを入れる
「だって美味しいんだもん」
病院で見ている結紘とは別人だ まあ人の命を預かる仕事だから常に緊張感を持っているせいかも知れないと思う
「そういえば昼間事務の彼女と何を話していたんだ?」
ふと気になっていた事を拓司は聞いてみる
結紘「あぁ…ほらいつだったか明莉さんや父さんの事を悪く言った事に対しての謝罪よ」
拓司「へぇそうなんだ」
結紘「ほらウチの病院って地域密着型じゃない?明莉さんの家族やウチの家族の事を知っている人がいたりするから色々聞いたみたいそれで謝りに来たってわけ」
拓司「それだけ?本当に?」
結紘「え、あぁ…まぁそうだよ」
拓司「何か隠してない?」
結紘「は?うーんそのうちにわかるよ」
そう言って結紘は笑っていた
続く