僕は笹原拓司(ササハラタクシ)
溝の口総合病院でリハビリ技士をしている。
僕の居るリハビリ室からは中庭が見える。その中庭のベンチに四月一日結紘(ワタヌキキズナ)先生が座っているのが見え、少し見ているとある女性が結紘に近付いて来たのが見えた。
「やっぱり結紘先生は良いよな~美人で聡明、そして仕事が出来る❗」
同僚の椙山(スギヤマ)が声を掛けてきた。
「それに人当たりも良いから患者さんからの人気もある。良いよな~仲良くなりたい❗」
「そう…かな」
僕は家での結紘先生を知っているから頼りになる姉貴という感じなんだよね。誤解のないよう言うけど病院の近くにあるシェアハウスの同じ住人だからなんだ。
「羨ましいよな拓司は結紘先生と同じ家に住んでいるんだもんな。それだけじゃない❗あの我らがアイドル看護助手の愛唯ちゃんとも同居なんて羨まし過ぎる❗」
看護助手の愛唯ちゃんは確かに可愛い。セミロングのサラサラヘアで目がクリっとしていて、スタイルも良い方だ。
だからといって僕にとっては妹のような存在。
「まあ一緒に暮らしていると家族みたいな感覚しかなくなるからな、羨ましいと言われても何が⁉️としか思わないんだよね」
「へぇそんなもんなのかね?」
椙山はイマイチ納得いかないという表情。
「そういうものなんじゃろうな」
一人の患者さんが笑いながら会話に入ってきた。
「私も小さい頃から結紘ちゃんを知っているが母親譲りの行動力には驚かせられるばかりじゃよ」
続く。