長かった髪をセミロングにしたわたし。結婚パーティーという事もあり、ほんの少しだけ胸の開いたブルーのドレスを着てみた。楓は少し明るめの濃紺のスーツにネクタイは薄い水色にワンポイントの柄。意外と似合っている。
「あっ!流れ星」
ふと空を見上げると星が流れた、それはひとつではなく、次から次へと流れた。
「菜々美さんからのにいにへのプレゼントかな」
わたしは何気なくそう思った。
「そうだね」
楓も空を見上げながら答える。
「菜々美さんってポニーテールの似合う、目が大きな無邪気にケタケタ笑う人でしょ?」
新婦の坂折夏姫(サカオリナツキ)が佳紀に聞いた。夏姫の質問に驚く佳紀。
「私、菜々美さんが佳紀さんと出逢わせてくれたって思っているの、それに菜々美さんは私の憧れの人だもの」
優しい笑顔の夏姫さん。ぽっちゃりしているからか傍にいる人を包み込むような雰囲気を持っている。菜々美さんが引き合わせたのだとしたら納得できる人。にいに、幸せになってね。
「佳帆、俺は友也の代わりにはなれないけど…友也を好きなままの佳帆を好きでいる自信はある。だからずっと俺の傍に居てくれないか?」
真面目な顔で楓が言う。えっ?これってプ、プロポーズ?!驚いて言葉が出ないわたし。
「返事は今でなくていいよ」
優しい笑顔。楓となら笑って歩いていけるのかな!?
「ありがとう」