給湯室でほのかは数人の同僚から責められていた。
「どういうこと?貴女さぁ静川く君にアプローチしていたのに何で吉岡君と昨夜食事に行ってんの?可笑しいでしょう?」
「わたし…」
「部長の娘だからって大きな顔してんじゃないわよ」
「そんなこと…」
ほのかは確かに静川君にアプローチをしていたがそれは母親からそうしなさいと言いつけられていたからで本当は臆病で人見知りな性格。数人に責められ震えが止まらなかった。
「やめろよ!」
助けに入ったのは吉岡君と佐々木君だった。
「何よ…別にいじめていたわけじゃないわよ!ルールを教えてあげただけじゃない」
バツが悪そうな顔で女性達は出ていった。
「ごめんなさい」
「何で謝るの?」
「だって私とのことで変な誤解されたら吉岡君の彼女に悪いもの」
「あれ?俺彼女居るって言ったっけ?」
「え?!」
「俺フリーだから君を誘ったんだけどな」
「あ…俺邪魔者だな消えるわ」
頭を掻きながら佐々木がその場を去って行く。
「私…本当は静川君のことなんてなんとも想ってなかった…でも母が静川君を気に入っていて彼氏にするなら静川君以外は認めないって…私小さな頃から母に逆らうことができなくて…だから母の言いなりになっていたけど自分の気持ちに嘘吐いているのが苦しくて苦しくて…吉岡君が誘ってくれて凄い嬉しくて初めて自分の気持ちに素直になって母に逆らったの」
「そうなんだ」
「私ね…私…」
「ちょと待ってその先は俺に言わせてくれるかな」
つづく