先日 うちだ和漢薬というメーカーさんが来てくれて原末散剤の香蘇散(こうそさん)という

漢方薬を紹介していただいた。

 

 

原末散剤とは

散剤とは薬物を粉々に砕いたもの

原末とはこのメーカーでは煮だして粉末にするような熱処理をしていないとのことで、

そのまま薬物を粉末にするということです。

熱をかけてないので香り成分が残るがポイントです。

 

よく ~散という漢方があるが先人たちの知恵でその漢方は散剤にして飲むのが効果的だということでその名前をつけたとのことです。

 

ところで香蘇散は効能は胃腸虚弱で神経質な人のかぜの初期とあります。

 

しかし風邪の初期といったら有名なのが葛根湯

香蘇散はあまり使われない処方になってしまいました。

その一つの理由が、効能成分である精油成分が揮発しやすいから

熱処理をするエキス剤だと成分が飛んでしまいます。

 

また神経質とあります。

これは漢方でいう気鬱

気のめぐりがわるく気分がすぐれないことで、頭痛やめまいや耳鳴りなどの神経症症状

をおこすこともあります

 

この漢方は、精油成分と香りが大事で、鬱している気を発散してくれます。

ストレスで溜まったものを発散するイメージです

 

その成分をしっかり残している漢方は、香りがすごくいいので香りをかぐだけで

気分がスーとします。

メーカーさんのこだわりを感じます。

 

早速、仕入れして数日したところ

ある女性が、旦那さまが無事定年まで勤めあげて退職されて

家にずーといるようになったが、そのころから胃がもたれゲップがよくでるようになった。

また手足が冷たくなったと相談をいただいて香蘇散をお出ししたところ、効果抜群でした。

 

不思議なんですが、ある漢方の勉強しているとそれにあった人がいらっしゃいます。

また患者さまの症例検討をしているとその患者さまから電話がきたりします

不思議なものです。

ひとつ豆知識でこの漢方の大事な生薬のひとつが蘇葉

シソの葉のことです。

漢方では風邪や気を巡らせ胃腸の働きを助けてくれたり吐き気を抑えてくれます。

妊娠中のつわりにもつかったりします。

また魚介類の食中毒にも

 

お刺身を食べる時はもちろん

気持ちがなんとなくすっきりしないとき

胃が重いときや吐き気があるときもおすすめです

 

確かに紫蘇を長く煮てしまったらもったいないですね