こちらも知名度の高い投資商品だと思います。全日本企業振興共済機構内でもよく話題にあがります。

そもそもFXとは"Foreign Exchange"の略です。もともとは外国為替という意味で日本円と米国といった異なる通貨を交換する取引を意味します。しかし最近では。FXという場合は個人投資家が簡単に外国為替を取引できるように設計された外国為替証拠金取引をさすことが一般的です。

金融がグローバル化する過程で、外国為替市場は巨大市場に発展し、異なる通貨の交換レートである為替レートの変動は毎日経済のニュースで報じられるようになっています。

FXが出現するまでは、こうした為替レートの変動に投資するのに、ドル円であれば売買するたびに1ドルあたりに1円という大きな手数料を銀行に支払う必要がありました。

これに対してFXでは、ドル円1ドルあたりに1銭以下という極めて低いコストで外貨を自由に売買することができる会社もあります。

FXのもうひとつの特徴は、証拠金制度というものっを使って、実際の資金量の何倍もの取引ができるという点です。

証拠金は、為替レートの変動によって生じる損失をカバーするための担保のようなお金で、FXを取引するときはこの証拠金をあらかじめ拠出して取引を行うことになります。

短期間で見れば為替レートの変動が数%を超えることはほとんどありません。つまり、ある金額の外貨を売買しようとするときには、その数%の変動をカバーできる証拠金を拠出すればよいといこになります。

仮に拠出する証拠金の率が2%ならば、実際に拠出する金額の50倍(=1÷0.02)の外国為替えお取引できます。

このように、実際に投下する資金額よりも大きな金額の取引を行うことを「レバレッジをきかせる」と呼びます。レバレッジとは”てこ”の意味で、てこを使って効果を増幅することを意味しています。

株の売買でも、信用取引という制度を使ってレバレッジをかけた取引を行うことができますが、FXではもっとレバレッジの倍率を高くできるようになっています。

このレバレッジじゃ金融のとってはとても重要な概念です。このレバレッジによって。わずかな資金で大きな利益を得ることができるようになります。もちろんレバレッジを大きくすればそれだけリスクも増えます。

レバレッジが50倍というこは、逆にいえば為替ルートが思わぬ方向に2%動いただけで証拠資金が全額失われといことです。損失率は100%(=2%×50)です。つまり損失もレバレッジの分だけ増幅されるのです。

FXではこうしたリスクの増幅効果によって投資家資金のほとんど、またはすべてを失う投資家が続出する事態が生まれています。

そうした事態を受けて、現在ではレバレッジには規制がかかっており、最大でも25倍となっていますが依然として大きなレバレッジが可能であることには変わりありません。

便利な金融商品でもそのリスクには十分に注意を払わなければならないという格好の事例といえることでしょう。

 


全日本企業振興共済機構

栗原 綾乃