万能幹細胞は万能の細胞ではありません
最近あれこれとみていて気になったのが「STAP細胞」関係の話で、
「若返りが可能」「クローンが可能」「不老になる」など「万能幹細胞がどういう物かわかってない人」が多いなということです。
特に「STAP細胞は万能細胞だ」と「万能幹細胞」と「万能細胞」の違いも分かってない方がこうしたデタラメを口にしています。
最近もSTAP関係のトンデモ擁護を行っている武田邦彦だけではなくYOUTUBEの有名な方らしい人の動画に取り上げられたりもしています。(前記事に書いていますが、この方の語っているSTAP細胞関係のことはデタラメ、というかそもそもの事実関係すら間違っているところがありますが)
https://www.youtube.com/watch?v=eLIO-qkNMZc
正確に言えば「万能細胞」というのは「万能幹細胞」のことを言い換えた「俗語」であって、「万能幹細胞」は『万能の細胞である』というものではありません。重要な語句である「幹」を抜いたことで、上のようなトンデモに繋がる誤認をする人が多いですが。
そしてそもそもの話としては「万能幹細胞」というのも正しくなく、正確には「多能性幹細胞」と呼ばれるものです。
「多能性幹細胞」というのはあくまで「特定の機能を持つように分化できる細胞」でしかありません。
https://www.yodosha.co.jp/jikkenigaku/keyword/3262.html
なので、「万能幹細胞」が存在してもそれは「クローンが出来る」とか「不老になる」とかそういう要素はありません。
そもそもの勘違いされがちなところでは、あくまで「そうした細胞が出来る」だけであり
「その細胞を基に任意の何かを作る」のは、先を行くips細胞やES細胞もまだできていないものです。
そして、あくまで「代わりのものを作ることが出来る」話なのでそうしたものは「入れ替える手術」等が必要になります。
勿論、「後天的につく」筋肉や免疫といった問題もありますし、「万能の夢の技術」なんて程のものではありません。
それでも、事故による欠損や臓器の機能損失などに対応できるようになるので、
「ips細胞」などは複数の医療系企業が積極的な投資を行って支援している状態です。