お釈迦様も指摘されたところですが、私達が実在だと思っている世界は脳が想像している虚構に過ぎないようです。

眼が光を測定し、耳が音(空気の振動)を、舌と鼻が化学物質を、そして、手などの触覚が触れた物体の温度や圧力を測定して、実体とは異なって人間が理解できるような想像図を示していることが、物理学では当然こととされているようです。
その虚構の中で、言葉や概念が実体とは無関係に作り出され、富や権力など、人間の抽象的な作り事の中で、争い、苦しんでいるようです。

いわゆるゼロサムの世界で皆が幸せにはなれません。 

しかも、映画を観ているだけなのに、自分が主人公になって、ジタバタ苦しんだり、ぬか喜びしたりしているようなものです。五感と言葉が作り上げた映像に過ぎないのにです。地位や名声、お金、実体のあるものがありますか?

では、本当の世界は?というと、おそらく、感性で捉える訓練が必要なようです。

地球の大気圏にいても、私達は宇宙に在るのです。そこは、宇宙のエネルギーが働き、様々な素粒子が動きまわり、集まったり、集まったもの同士がぶつかり合ったりしています。私という素粒子の集まりも、エネルギーの流れに応じて動かされます。ジーッと心を澄ましてみると、直観することもあります。

私と宇宙の関係に集中すると、そこは、他の人と矛盾することなく、皆が幸せになれる、本当の世界があるようです。 承認欲求をはじめ、他人と比較するきっかけがありませんから、無駄な悩みに惑わされることがありません。

私達が虚構を脱して、本当の実在の世界のままに、平穏に暮らすこと。生まれてから、世間や学校などで、纏わりついた思い込みを溶かしていくことで、可能になるように思います。