震災少女○○○の続きになります。

 

 それなら、本を1冊ずつはつかめるから、抜き取った本を布団の隙間へ入れて、直径40Cm程度の穴を開けて、上までその穴を通せば良い。そうすればその穴から抜け出せる。早速やってみた。本はスムースに動かせた。しかし事は簡単には片付かない。どんどん本を取り除くが上に貫通しないのだ。1mほど進んだところで、やっと手が本の中から抜け出して、外へと出せた。これで助かる。後の作業は今まで作った穴は、手だけが出せる大きさなので、手の周りの本をつかんでは、遠くへ投げつけて、穴の周りを、体が抜け出せるように広げていった。短時間で穴は広がった。これでやっと抜け出せる。体を反らせて頭を持ち上げた。頭は通った。次が肩だ。体で一番巾が有るので、さらに本を押しのけて通れるようにした。お尻まで出た。これで抜け出せる。と、足を抜き出そうとしたのだが、左足だけ抜けなくなっていた。布団の中で左足が抜け出せない状況となっている。たぶん本の量が多くて足が引っ掛かっているのだろう。左足の本は減らすのは無理なので、力任せに引き抜くことにした。

「よいしょウーーーン」

ああキツイ

「こらしょウーーーーーーン」

抜かないと助からない。

「よおおおしグウーーーーーーーーーン」

ズルズルズルと抜け出した。助かった。ホッとしながら、家の中を見た。2階建て木造アパートの一室4畳半の部屋の中は、全ての家具や本棚が倒れていて、一番多い本を含めて、それらの全てが、約1mの高さになって、水平になっていたのだ。こんな光景はもちろん初めて見た。これは強い揺れで崩れた。家具や本棚の本などが、揺られ続けて水平に揃えられたのだろう。外へ出ようとしてドアの鍵を開けて、ノブを回してから開けようとした。ドアは開かない。これは廊下に積み上げていた。段ボールに入れていた雑貨などが崩れて、ドアを塞いでいると思った。ここはだめだ出られない。この部屋の窓は建物が損壊したので、窓はねじれて、窓ガラスが全部割れている。窓枠が木製で破損して欠落している。この窓から外へ出よう。幸い外の電柱が窓の近くにある。電柱を支える鉄ワイヤーが、斜めに張られていて、そこを伝って道路へ下りれば良い。電柱ワイヤーをつかんで、電柱の足掛け用の突起へ足を掛けて、慎重に地面へと降りて行った。地面には屋根から落下した。赤い屋根瓦の破片が散乱している。様子を見に来たのか、アパートに同居している父親が下にいた。父親は1階に住んでいて妹と二人暮らしだ。二人とも無事だったのだ。

 

 今回はここまでとなります。