三位一体のデザイン
三位一体のデザイン
今日、ある建築家がデザインした住宅・店舗が2棟同時竣工したというので、見学に行きました。建物は埼玉県越谷市の郊外の、閑静な住居専用地域宅地の中にあり、2階建ての2棟が同じ敷地内に前後して建っていました。どちらも、外壁がほとんど真っ黒で、ひさしがほとんどなく、まるで大きなサイコロが置かれているような印象でした。外壁の黒は、施主の強い要望だそうです。さらしのように細長いハイサイド窓が屋根に沿って、帯状に壁を巡り、壁を切り取るようなデザインいて、夕闇に光る明かりが目を引きました。
2棟を見比べて驚いたのは、内装が全く反対のイメージだったことです。
南側の家は、インテリアの素材が輝くように真っ白で、モダンでハイテクなイメージ。
【南側の家】
北側の家は、壁が木材の構造用合板がむき出しに、内装の仕上げ材も兼ねて、節や年輪がそのまま仕上げ模様として利用され、自然派のイメージ。
同じ建築家、同じ建設会社の手になるとは信じられないほどでした。
横綱は技を多くもっているものですが、優れた建築家ほどデザイン手法は多いようです。施主の条件や要望を取り入れながら、設計者の主張も盛り込む。この二つを両立させ、周辺環境に馴染む三位一体の建築物をどうやってつくるかが、優れた建築家の腕の見せ所です。
この建物が三位一体のデザインとして成功しているかどうかはまだわかりません。
暮れなずむ空を背景に、闇を夜の底に沈んでゆく外観と、暮らし人の存在を主張する明かりが白く、あるいは橙色に輝く窓をもつ建物と生活を、近隣の人たちがどう受け止めてくれるか、歳月も一緒になって評価してくれることでしょう。
越谷の家
設計:ウエガイト建築設計事務所 上垣内伸一
http://www.uegaito.jp
所在地:東京都台東区蔵前4-13-4
TEL:03-3861-9218
FAX:03-3861-9220

