私の両親 | シングルママと不登校児のまいにち

私の両親

私の両親は仲が悪く、よく子供の前でけんかしました。 


今思えばただのバカじゃないかと思うのですが、我が家は私が9才の時に建てた家のローン3000万円を10年で返済するために父の収入はほとんどローン返済のために使われ、日常使うお金はすべて母が家で赤ちゃんをあずかる仕事をして稼いでいました。 しかも家を建てた直後に父が会社を辞めてしまったために家計は火の車でいつもいつも母は「お金がない」「今日食べるお米がない」と嘆いていました。 また自称身体の弱い母はしょっちゅうもうこの世の終わりであるかのように「疲れた...」と言って背中をまるめてつらそうな顔をしたり、 「ガンかもしれない」などと言って私を不安にさせました。 今だに大病など一つもしていないのですが。


家計が大変だったので高校に入った私は早朝新聞配達のアルバイトをして自分で必要なものは全部自分で買いました。 高校の制服も自分で買いましたが、冬のコートは買えなかったので冬は学校中で私一人だけコートを着ないで登校しました。 


そんなふうに自分なりに母に協力しているつもりでも、母にとって諸悪の根源は父と私でした。 身勝手な夫とぼけっとした娘のことをよく(私がいる前で)親戚の人に愚痴っていました。 また私は私で、年中母から父の悪口を聞かされていたので悪いのは父であると思い込み、父を呪っていました。 中学高校の頃は父と一緒の部屋に二人でいるのはものすごく嫌でした。 夜私が居間で試験勉強をしているとわざわざそれに付き合うかのように父が居間でテレビをつけて見るのです。 私は「テレビを消して」と言えませんでした。


でも本当に悪いのは父だったのか...


家を出たくてたまらなかった私は高校を卒業してすぐ祖母の家に下宿させてもらうことにしました。 家を出てしばらくするとやっと私は両親のことを客観的に見ることが出来るようになりました。 母は、子供に毎日のように父の悪口を言うくらいなら、別れるべきだったと思いました。 それをしなかったのは行動力が無かったからだし、一人で子供を育てるのに比べたら父と嫌でも一緒にいた方が楽だと判断したからなのです。 そう判断したのなら、子供に迷惑をかけるべきじゃなかったと思います。 父は本当に身勝手で変わった人ですが、自分が不幸なのを全部他人のせいにしていた母も悪いと思います。 喧嘩両成敗じゃないかと思った時、なんだか父と母のケンカと、それに巻き込まれた自分がばかばかしくなりました。


数年前、やっと両親は離婚届にお互いに印を押しましたが、まだ一緒に暮らしています。 父は相変わらず家にお金を入れないようで今だに母から愚痴を聞かされます。 母は結局父を頼らないと生きていけない人でした。 そして今も自分で自由になるお金など1円もありません。 年金もありません。 今後はまだ結婚していない私の弟に面倒を見てもらうつもりでいるようです。


子供に問題がある場合はまず親をカウンセリングすると何かの本に書いてあったけど、本当にそうだなぁと思います。 私自身が本当はこうやって親に言えない(言っても分かってもらえないだろう)親に対するわだかまりを抱えて生きているのです。  大人になって世の中が見えるようになったら、自分の置かれた環境なんてそんなにひどいものじゃなかった、世の中には本当に地獄のような家庭環境に育った人もいると知ったけれど、それでもやっぱり私がどこか自分の存在に拠り所を感じられないのは育った環境にあるんだろうなと思います。 


健全な家庭に育った人というのは付き合ってみると分かります。 なにか自分というゆるぎない核のようなものがあって、つらいことがあってもそこだけは崩れない、強いしっかりした心を持っている気がします。 自分を好きだから、他人にも優しいし、余裕を感じるというか。


私はもう既に片親になってしまっているので子供達に健全な家庭を与えてあげられてません。 だけど生きていく力だけは与えてあげたい。 何があっても最終的には自分のことが好きでいられるよう、明るい一人親家庭を築いていきたいです。