『昼飯事情最前線』
昨日はEX-Sandiest ⇒Nobykiこと山下くんのお店へランチを食いに行ってきました。
滋賀県はJR南草津駅から少し歩いたところにある「たなぼた」は焼肉ともつ鍋の店で何回か忘年会で訪れたことがあって極上の近江牛を食らえる全席座敷のゆったり空間。
夜をメインに商いしていたのだが、最近ランチを始めたという情報を聞きつけ参上させてもらいやした。
たかがランチ、されどランチ。
ランチメニューといえど10を越える品目の中からチョイスをしなければならない。
カルビ丼、ハラミ丼、ステーキ定食、ステーキチャーハン、ホルモン、牛タン……何⁉︎ちゃんぽん!!
数々のメニューたちが微笑みながら手招きしてやがる…
向かいの席で連れ立って行った先輩が思わず頭を抱え出す。
事前にインターネットを経由してメニューを熟視していった我々ではあったが、いざ店内へと入れば幾多の誘惑に心が揺らされるのも無理はない。
しかし私の心はすでに決まっていた。
ゆっくりとメニューから視線を外す。
ひときわ目を引いていたのはこの雄郡の筆頭に構えている「ビーフカレーライス」。
店主自らスパイスを調合し一から仕上げた逸品。
カレーフリークの血が騒がないはずがない。
「だったらハナからカレー屋へ行けば?」
そんな風に思った貴方は甘い。
甘い!
甘過ぎる!
此処を何処だかお忘れか。
焼肉屋である。
カレーのトッピング。
それは肉。
トッピングメニューにカルビやホルモンが立ち並ぶ中、ここは厳正にハラミを選ぶ。
ビーフカレーの濃厚とハラミの淡白が混じり合うケミストリー。
抜かりは無い。
自然、口の端が釣り上がる。
おしぼりとお冷を持った店員さんが席に来る。
頭を抱えていた向かいの漢が口を開く。
「えーっと、カルビ丼とハラミ丼ください。」
ふぁっっ!?
ふ、二つだと!??
店員さんがオレを振り返る。
「あ、、か、カレーにハラミを40gトッピングで…」
なぜか負けた気がした。
まず運ばれてきたのは丼の二品。
単体でもボリューミーな存在感が二品。
隣でステーキ定食のマンガ盛り飯をガッツいていた巨漢の学生風情の視線もチラチラと向かいの席に座る痩せた漢に向けられる。
致し方ない。
次に、我がビーフカレーが目の前に現れた。
毅然と構えるカレーライスのその中央に「ここが世界の中心だ」と言わんばかりのハラミ群の貫禄。
最強を自負するその悠はまるで黒王号に跨る世紀末覇者拳王。
しかしこちらとて負けてはいられない。
スプーンを高く振りかざし
「ラオウ、天に帰る時が来たのだ!!」
まずはその黄金と純白の海に銀を突き刺し、すくい上げる。
口の中に広がるやわらかなテイストに間髪を入れずスパイスの香りが鼻腔を抜ける、それらの浮遊感を刺激的な辛さが程よく締め付ける。
こ、これは‼︎
欧風を思わせるマイルドなファーストインパクトから広がるスパイシーさはインドを彷彿させる。
そこに牛肉特有のコクが全てを包みこんでゆく。
このプチプチと残る食感は、、、スパイスなのか!?
目まぐるしく回る頭の奥の方で、否、心の奥か⁉︎
ブルース・リー先生が叫ぶ。
Don't think! Feel !!!
ああ…そうでしたね先生…僕は…いつだって…
五感に全てを委ねる。
そして遂に頂上決戦。
カレーをのせたハラミが口に運ばれる。
カレーと一体化したホロホロな肉と異なる確かな食感。
焼き立てであるが故の肉汁。
うまい。
カレー、米、ハラミ、カレー、米。
ものの数分。
快楽のループも束の間、気づけば空の皿がそこにあった。
向かいの丼もキレイ空になっていた。
デザートのアイスキャンディでクールダウンして山下くんと少し話してから外に出た。
帰ってきた梅雨も少しはいいところがあるのか、蒸せ返るような暑さはやってこなかった。
たばこをくわえて煙を吹き出す。
「…やっぱ肉。ですね。」
「ああ、肉だな。」
「隣のステーキ、うまそうでしたね。次はあれですね。」
「違いねぇ。」
破顔すると車へと乗り込み国道へと滑り込ませる。
今にも降り出しそうな空の下に車は溶け込んでいった。
うまいゾ!!

