【2025.10再編集】
十六夜[いざよい]
私の心はまるでこの月の様・・・
半歩後ろから見つめる私の視線は知らないでしょう
貴女の瞳はいつもあの背中を追っていてそれさえも気づかない
いつかあの鬼神が後ろにいる天女に振り向くでしょう
・・・
でも今はまだそれは言わずに
でも今はまだそれは言わずに
・・・
まだ今は私の傍に・・・
まだ今は私の傍に・・・
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立待月【たちまちづき】
貴女は兵舎へと足を運ぶ
今日も私と月見酒の約束をしたが果たしてその心は御自分で気づかれているのか…
帰りが遅い貴女を待つ間見上げると微かに欠け始めた月がある
時間と共に私から離れていく
ただ私は眺めるだけあの立待月の様に…
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居待月【いまちづき】
今日も遅いだろうか
薬草園の階段に座り月を見る
一人酒でも良い
一人酒でも良い
今迄そう過ごしてきたのだから
ため息と同時に杯を持つと板のきしみ音を鳴らせ貴女が近づく
今日は五味子茶を作ってみたんです
先生みたく上手かわかりませんが
そう言う貴女の顔は月に照らされ正に天女の様
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寝待月【ねまちづき】
肩に触れる手に貴女が来たのだとわかる
珍しいと微笑む貴女の吐息が頬を掠めた
漸く目を開け微笑み返すと
お疲れですかと問うてくる貴女に
少し肩を借りたいと凭れてみる
貴女は嬉しそうに酒を呑み横で芒が揺れていた
どうかこのままでと目を閉じる
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更待月【ふけまちつき】
戸を叩く音で目が覚める
映る影に貴女だとわかり扉を開ける
酒を持ち微笑み
私の世界ではこの時間はまだ呑んでる時間なのよね
先生付き合って
先生付き合って
貴女の目が三日月の形になる
天界の世界はこの刻まで忙しいのですね
仕方ないふりをし扉を開け部屋へ招いた
私の弾む鼓動を隠して
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下弦の月【かげんのつき】
貴女が帰る為の手がかりがあるのにと
泣いて落ち込む姿を
慰める事しか出来ない私は
結局私も籠の中の鳥なのだと思い知る
天竺や元に旅していた自分が何故今では無いのか
この方を護るのはやはり私では無かったのか
震える肩を抱くしか出来ない
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有明月【ありあけつき】
心臓が焼ける様に熱い
切られた喉から鮮血が流れ出す
出来るなら胸に隠す薬だけでも貴女の元に
この世界でも鬼神が護ってくれるでしょう
貴女の中に私はいたでしょうか
闇に沈む前に見えたのは貴女が微笑む姿で私はゆっくり目を閉じた
私だけの貴女に会う為に・・・
△△△△△△
【2025.10修正済】
懐かしいものを再編集しました(*^^*)
秋夕は終わったけど
ふとこれを思い出してしまったので・・・
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