ー常永久ーシンイ二次創作 -161ページ目

ー常永久ーシンイ二次創作

☆信義-シンイ-の二次創作ブログ☆
(小説・イラスト・日記等)
二次創作に嫌悪感のある方はオススメいたしません。



※この話は“君降る~”の中で通路が消えて、
二人が会えていなかった
数年間の間にあった出来事です。


君に降る華【特別話】⑸





ピリピリと肌に感じるのは外にいる寒さだと子息は思った。
いや、本当は違うと考えているが、それを認めたくない自分がいる。
広間の中央に立った男の視線はビタリと子息を捉え離れない。

故にその気を感じたからだと思っていた。

――なのに、この息苦しさは何故なのか?


「怪我をなさいませんよう・・・」

中央に立つ隊長が低く言葉を吐いた。

確かに自分に言ったのだろう。
笑っている様に見えるのは気のせいか?


何処かから火花が走る音がし、隊長の何も無い手に視線を移すと
パチパチと弾く光と共に青白い何かが揺らめき始めた。
雪がさらさらと降り少しの湿った空気の中、あまり嗅いだ事の無い焼けた様な鼻に残る匂いに子息が嫌な予感と恐怖を感じた瞬間、白い光が自分に襲い掛かって来た。

しかし、その光は自分に当たらず僅かに肩を掠め、
それでも恐怖に椅子から転げ落ち咄嗟に反対に逃げる。


「わぁ!」

隊長の放ったのは何と青白い雷で、当たった木は大きな衝撃と爆発音と共に粉砕されていた。

その木は子息が座っている場所より少し離れていた筈なのに、風圧と粉砕の際に砕けた木の破片がキム氏や郡主の場所にまで飛び散って来る。
唖然と固まった周囲の人々、キム氏と郡主と椅子から転げ落ちたまま腰を抜かした子息はまだバチバチと音をさせ燃えている木の残骸を驚愕の眼差しで眺めていた。


「某は制御が苦手でして。・・・あぁ、怪我等はされませんでしたか?」

真っ青になっている子息に声を掛け、ヨンは小さく口端を上げた。

「寒いもので、技が弱くなってしまった。いや、申し訳ありません」

「え、あ・・・」

「ご希望とあらば、次は気候の良い時にまたお見せ致しますが?」
「い、いや、もう良い!」

「・・・」


自分に向けた隊長の気は確かに殺気だった。
あれを再び向けられるなど・・・とんでもない!

子息はハッとなり慌てて椅子に座ったが、中央に立つヨンはまだ下がろうとはしない。

「あぁ、そういえばご子息殿も道場に通われているとか?だから、キム氏も我等が隊をご所望されたとか。どうですか?一試合・・・」
「い、いや、私はよい!酒も飲んでしまったし、足下が・・・」
「そうですか、真に残念です」

さほど残念とも思っていない表情で言うと、漸くヨンは隊がいる場所へと下がって行った。

子息の傍に侍らせた妓生や舞踊手らは腰が抜けた子息よりヨンへと興味が移り、ぽうと頬を染めらせ見つめている。

郡主がちらりとキム氏を見ると、情けない姿の息子を見て気分を害したのか険しい顔付きになり、子息は青白い顔で下を向いてしまった。
どうやら、チェ家の嫡子とわかってヨンを連れて来たのだろう。どう足掻いてもあの家の評価は落ちる事は無く、前のチェ氏が亡くなった後も功績だけが居座り続ける事が癪に障ったのか、とうとう息子まで貶めようと考えたのかもしれない。
・・・が。

「はぁ、やはり、チェヨンですな。何時か一隊長だけでは収まらんでしょう」

あの力があれば国を守護する大将軍にもなれる。

「あの者に目だけは付けられたくは無いものだ」

郡主の言葉に椅子に座った子息はビクリと肩を震わせた。




「・・・もう、驚かせないで下さいよ、隊長!」

トクマンが剣を返しながら言うと、ヨンは小さく肩を竦(すく)めふんと鼻を鳴らす。

「何だ?こんな事お前らは見慣れているだろうに」
「そう意味ではありません。隊長、始め狙いをあの若造に向けたでしょう?」

横からチュンソクが割って入り、その言葉にヨンはうるさいなと拗ねだした。

「あ?脅しを掛けただけだ。当てる気等微塵も無かったぞ」
「本当ですか?」

心配するチュンソクの横を通り過ぎ間際、

「俺はまだ大丈夫だ」
「・・・」

ヨンの言葉にチュンソクは顔を向ける。

「・・・わかりました」

小さくため息を吐いたチュンソクだったが、
先程よりは表情は柔らかいものへと変わっていた――。







ウンスは勤務時間も終わり、一人バス停へと向かっていた。
結局あの男性は同僚の手回しのおかげか、違う病院では誰も誘いには乗らず失敗に終わっている様だった。

もうそんな男、興味も無い。

「何なの?全てのスペックを兼ね備えた男はいないの?」

別に高望みをしている訳では無い。ただ、自分の理想がありそんな人はいないか?と・・・。

「・・・そこが駄目なのかなぁ?」

週末には独立に向け、製薬会社や化粧品メーカーの新作発表も兼ねたイベントが待っている。
そこにも色々な人が来る筈、まだ望みを捨ててはいけない。

「まだ諦めないわよ!」

ウンスはバッグの紐を強く握り、足を早め雪降る街中を歩き出す。


大事に抱えたバッグの中に入っているケースが
再び小さな金属音を立てたのだった――。







「・・・へー、で?そこにいた妓生がチェヨンさんに迫って来たと?前に言っていたものね?夜、部屋に入って来たって・・・」
「いやその前に待て、俺は聞いていない、その話は・・・。その後は?行ったのか?その集まりに?」


薬草園の部屋から二人の声が聞こえ、
去ろうとしていたチャン侍医とトクマンだったが、
徐々に不穏な空気になっていくのを感じ、
二人はそろりと窓から覗き込むと椅子に座り、
二人は顰めた顔付きで向き合っていた。










⑹に続く
△△△△△△△

途中で切りました。
今に戻っています。(*^^*)