ー常永久ーシンイ二次創作 -143ページ目

ー常永久ーシンイ二次創作

☆信義-シンイ-の二次創作ブログ☆
(小説・イラスト・日記等)
二次創作に嫌悪感のある方はオススメいたしません。



※こちらは、序奏と①~④の下にあったお話でした。
次話がアップされると消えていたものでしたので、
まだ読んでいなかった方はあの話の時の
続きだったのかと思って下さると嬉しいです。



蝶が舞う頃に㉖〔おまけ〕




序奏【ヨン】



――暗闇の中、見えない蝶が舞っている。

湿った部屋の中、鼻を掠めるのは嗅ぎ慣れた土や草の匂い。
そして知らない花の香り。
女人が動く度に、
自分の周りに蝶が舞う様に香りが漂っている。


「――・・・抱かせてくれないか?」

躊躇しながらも手探りで手を伸ばすと、
触れた女人の手がビクリと震え相手も戸惑っているのがよくわかった。

――それでも。
どうしても言いたかった。
でないと、この者と二度と会う事が無い様に感じたからだ。
抱きたい等と自分の欲でしかなく、
女人の気持ちを無視した発言だとわかっている。

“忘れたくない。”
“離れたくない。”


「・・・責任は必ず取る。・・・妻に迎えるつもりだ」
「は、えぇ?」
「お、俺にはまだ誰もいない。・・・お前が良ければ、迎えたいと思っている」
「・・・貴方が、ここに来るなんてわからないでしょう?」
「いや、絶対に戻る。迎えに来るから」
「私も帰って来るのは何時になるか・・・会うかどうかも・・・」

誰にも言えない秘密の場所と二人の出来事は、この場を離れたら何の保証も無いのだ。

「・・・それでも俺は・・・!」

「・・・いいわよ、そこまで責任取らなくても・・・」

――ふと。

女人の手がヨンの隠された目に触れ、それよりもと小さく声を出す。

「・・・その・・・私、経験無いんだけど」

は、と顔を上げヨンが女人の方を向いた。

「・・・いや、俺も」
「・・・なのに、言うの?」
「・・・すまん」

女に対して快楽を与えてやる事は出来ないかもしれない。
そんな余裕さえ知らないのだ。
しかし、女人は少し間の後小さく笑った。

「べ、別にいいわよ。その歳で慣れてたらその方が嫌だもの」
「そ、そうか・・・」

女人が持って来た水桶から濡らし絞った布で身体を拭き、女人は・・・。

「私は大丈夫、・・・来る前にお風呂入って来たから」

確かに何時も女人からは甘く、とても清々しくなる程の匂いがしていた。
だが、自分の事情を考え誰にも言わず、ここまで来て看病をしてくれていたのだ。


――あぁ、それを俺は・・・。



「・・・明日、また来れるか?」
「・・・どうかしら?」
「・・・」

わかっているのにしつこく聞いてしまう。

それでも、
やはり女人はそれ以上の返事をしてくれなかった。

ヨンの手は女人が着ている着物をゆっくりと剥いでいき、滑らかな首筋に己の唇を埋めていく――。

――・・・あぁ、やはり何て滑らかなのか。

想像した通りだとヨンは、その甘美な快楽へと意識を集中させていく。


“俺は絶対に、お前を裏切らない”

「・・・だから、待っていて欲しい」

汗ばんだ身体に指を這わせヨンは女人に囁いた。






①【チャン侍医】



朝になり、チャン侍医は身支度を整え、
自分の部屋を出ると診療所に向かうべく薬草園へと歩いていた。

チャンビンの部屋は少し離れた場所にあるが、そのまま真っ直ぐ進めば診療所の裏口へと辿り着ける。
しかし、最近はぐるりと周り薬草園から入る様にしていた。
それは、ウンスの様子を確認する為でもあり朝決まった刻になるとトクマンがやって来るが、
それ迄は通路を開け何かあれば診療所に聞こえる様にもしていたからだ。

ウンスを起こしても良いかと薬草園へと足を踏み入れたが、ピタリと動きを止めそこにいる人物に視線を向けた。

「・・・・・」

まだ自分の気配には気付いていない様だ。
何故か咄嗟にチャンビンは気配を消し、その人物の背中を見つめてしまう。

彼は花壇の近くに立ち、静かにウンスの部屋へと顔を向けている。

チャンビンからは後頭部と背中しか見えない為、
彼がどの様な表情をしているか見当もつかない。

・・・いや、付かない訳では無いが。

口元に手を当てその後ろ姿を眺めていると、
彼は一瞬肩をぴくりと動きそのまま後ろを振り返り此方を見た。
その表情は何時もの無愛想なままで、声を掛けないチャンビンに眉を顰めてもいる。

「何だ、そこにいたのか」
「今来たばかりです。何かご用でしたか?」
「この間元から来た者達について――・・」

チャンビンは頷き、
では此方にと診療所へ促すと素直に付いて来たが、
彼はちらりと一度だけ、
ウンスの部屋へと視線を向けた。

「・・・」

チャンビンはその横顔を一瞬だけ見たが触れる事はせず、
黙って診療所の中へと入って行った――。






②【チュソク】


康安殿に入り、王様がヨンに話し掛けているが隊長の返事はいつにも増してとても冷たい。

それをわかっているのか何なのか、話す王様もヨンの目を見ていない様にも見え、
チュソクはその様子に苦虫を噛み潰したような表情になっていた。

自分達には王様の考えはまだわからない。
隊長はどうだろう?
裏を読めと毎回怒られるが、今回の隊長の行動ははたしてこの王様には理解出来ただろうか?

重苦しい空気の中、二人の内容の薄い会話を聞きながらチュソクはため息を吐き出した――。


「・・・あの医仙様を慕っているって言っていたし・・・」
「・・・作戦に決まっているだろうが」
「い、いや、でも・・・」

そうテマンに言ったが、何が不満なのか首を傾げ考え始めている。

兵舎に戻って来たチュソクは、テマンに江華島での話を聞こうとしたがテマンも向かう途中までしかわからないと言う。それでも隊長がキチョルの屋敷で話した内容は教えてくれた。

「・・・まぁ、確かに。隊長の行動は今までに無い事だ」
「うんうん」
「何手先を読んでいるとも感じない。隊長らしくない」
「うん」
「・・・あのお方が来てからだなぁ」

チュソクが言うとやはりテマンは大きく頷いた。


横柄で怠惰で面倒臭がりな隊長が、ここ最近では突拍子のない行動をする。
自覚はあるのかどうかも怪しい。

そして、先程夕刻時兵舎に戻って来たトクマンのあの馬鹿が――。


「・・・今日も医仙様の部屋にチャン侍医が入って行った」

ぽそりと呟いた言葉は階段を上がって行く途中の隊長の耳に入った様で、
一瞬此方を睨み付けると荒々しく扉を閉め部屋に籠ってしまった。


――はたしてあれも自覚しているのだろうか?


そんな事より。

「余計な事を言うな!馬鹿か!」

チュソクはトクマンの肩を殴る。

明日の鍛錬はきっと地獄だろう。
チュソクはがくりと肩を落とした――。





③【トクマン】【チュンソク】



チャン侍医は寝台までウンスを連れて行きそっと座らせた。

「片足でも歩けるし・・・」
「それでまた何処かに倒れ込んだらどうするのです?」
「・・・・・」

冷たい侍医の言葉に頬を膨らませ不満げなウンスを無視し、寝台の傍らに薬や包帯等を置いていくチャン侍医。

そんな二人の様子を窓からトクマンはただぼんやりと眺めていた。



「・・・何だと?」

宮殿から戻って来たヨンとチュンソクは兵舎に入り二階に上がろうとしたが、トクマンからの報告に眉を顰めた。

「足の甲だけでしたが何日かは痛みがあるだろうとチャン侍医が言っていました」
「酷いのか?」

ヨンの隣りに立つチュンソクが聞いて来たが、トクマンはえぇと口篭りついついヨンを伺ってしまう。

「すみません、俺はじっくり見れませんが。
・・・チャン侍医が言うには無理しなければ数日には歩けるだろう、って・・・」
「そうか・・・」

返事をしたチュンソクはちらりと隣りのヨンを見ると、
ヨンは一歩足を外に向け出ようとしていたが、そのまま動きを止めている。

「様子を見に行きますか?」

「・・・いや」

ヨンのその返事を聞きチュンソクがトクマンに視線を移すと、何か言いた気な表情に気付きどうした?と尋ねた。

「・・・あの、暫くは医仙の治療はチャン侍医がするそうです」
「ああ、そうだろうな」
「いや、あの・・・」
「何だ?」
「だって、医仙の足、脛まで見えて・・・ッい!」

突然太腿に痛みが走りヨンから足蹴りを受けたトクマンは屈む様に身体を丸くし、
その姿をヨンは冷たい眼差しで一瞥した後、何も言わず身体を中に向け二階へと上がって行ってしまった。

「見ていないと言って、女人の足を見てるからだ、全く・・・!」

・・・脛までだなんて。

――という事は、
チャン侍医はその足を間近で見ているという事なのだ。


隊長が兵舎に戻り門を潜る前に、必ず典医寺に顔を向け一瞬足を止める事がある。
今だ拒絶する天人に掛ける言葉が見つからないのか、ずっと思い詰めた顔をしているのだ。

「少しお話されては?」
「いや、いい」

そんな訳ないだろうに。


――・・・このままだと嫌な予感しかしない。


チュンソクははぁーと長いため息を吐き出し、ヨンが消えた二階を見つめた。





④【テマン】



『メヒの顔が思い出せない・・・』


隊長の許嫁だった女人の名前だろうか。

時々剣に付いている黒く、古ぼけた布を触っていた。その時の隊長はまるで抜け殻みたいに、空虚を見つめ暫く動かない。

だから、テマンはそんな時のヨンはあまり好きではなかった。

だが今は常に動き回り、
そして隊長の強い眼差しには何時もあの女人に向けられている。

前の許嫁の顔を忘れる程、あの天の女人の事で頭がいっぱいという事なのかもしれない。
確かに、あんなに騒がしすぎる女人など見た事がない。

だがそれで良いとテマンは思っている。

生きている者を見て欲しい。

天の女人だから、この地に残るかもわからない。
帰る様なら・・・。
その時再び隊長は“無”になってしまうのだろうか?

だったら・・・?

なら、あの女人を説得しこの地に留まる様お気持ちを変えて貰えば良いのではないか?

きっと、いや、絶対、
隊長はもっと偉くなる。

そうあの天人に言ってみようか?


しかし、ウンスが典医寺から消えたと報告が入り、
テマンはそんなと絶望したのだった――。








喋が舞う頃に〔おまけ〕―終わり―
△△△△△△△△△△△△△△△△△

・・・序奏の段階で既にあぁ、二人何かしていたんだな・・・と匂わせておりましたので想像は付いていた方もいたかもしれませんね🙂
他の人から見たヨンの行動もありまして、彼は知らずにウロウロしてもいたんです🤭





新しい話が更新される時は次からは、このイラストになりますのでその時はよろしくお願いいたします♡





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