私たちはデジタル技術の発展によって、
多様なプラットフォームやSNSを通じて世界中と巨大につながる
現代社会を生きています。
この予測しがたい巨大な世界の流れと速度に合わせて生きていると、
ふと「自分が人生の主人公ではなく、世界の歯車や奴隷のように感じる」
瞬間があります。
私たちは幼少期から、社会が作った基準に従って生きるよう
義務教育を受けてきました。
それを忠実に守る人が「良い人」だという価値観が、深く内面に根付いています。
自分が人生の主人公ではないと感じる虚しさは、自分自身の基準を持ち、
それに従って生きていないことから生じます。
古代ギリシャの人々も、私たちと同じ経験をしていた
古代ギリシャでも同じような状況がありました。
ポリスが崩壊し、ヘレニズム時代にはいり都市国家が巨大化する中で、
ギリシャひとたちもまた、私たちが現在経験しているような急激な変化の中で
自己の主体性や幸福を失っていきました。
こうした問題を解決するために登場した古代哲学の中で、
ストア哲学は、物質的・肉体的快楽を追求し、
他者との比較や競争によって自己の本質から離れてしまった現代人に、
自分の人生を取り戻すための多くのヒントを与えてくれます。
