考えても、無駄だろう。
「納得いきません」
「そう言われてもね…」
眉間に皺を寄せたまま、真っ直ぐに見据える彼女。
納得がいかないと言われても、そうとしか言いようがないのに。
どうしてこの娘は、明確な答えを欲しがるのだろう。
「駄目かな?」
「だ・め・で・す」
ずいっと身を乗り出して、こちらに近づく顔。
口付け出来そうなその距離に、気づいているのだろうか。
(気づいてるわけないよね)
気づいているなら今頃、顔を真っ赤にして飛びのいているはずだ。
逆に言えば、気づかないほど真剣だということ。
「好きだけじゃ、いけない?」
「だから、その、好きの理由が、し、しりたいんですっ」
「知ったから、何か変わるの?」
「…別に、なにも変わらないと思います、けど」
見据えていた眼は逸らされ、だんだんと語尾が小さくなっていく。
先程よりも皺が増えてはいるが、頬がほんのり染まっていた。
あぁ。ホントに可愛くて仕方がない娘だ。
「なんか私ばっかり好きみたいで、嫌なんです」
「嬉しいね。キョーコにそこまで想われているなんて」
「っち、違います! そこまで好きじゃありませんっ!!」
大きな声で否定して、いくら睨んでも、その熟れたトマトみたいな顔では煽るだけ。
「俺は好きだよ。キョーコが俺を想う理由なんていらないくらいに」
だから、ね。
その可愛い唇にキスしてもいいかな?
理由なんていりませんただ好きなんです