Simple World -21ページ目

Simple World

ミ★(*^-゚)v Thank you for coming!★彡

 だって、ずるいじゃないですか。
 私だけこんなに心を揺さぶられるなんて。
 故意じゃなのは、分かっています。
 それでも思考をどす黒い感情で支配されてしまった私は、とても醜い顔をしているでしょう。

 こんな私を見てほしくないんです。
 でも、貴方はお構いなしに近付いてくるから。
 少しでもいい、この『オモイ』を感じ取ってくれるのならば。

 私の気持ちも、はれるのかな?



『好き』

 耳に残るのは、甘さを含んだ低い男性の声。
 声の主は、目の前に真摯な眼差しで佇んでいた。

 耳が声を拾って、脳へと送られる。
 言葉の意味を、理解したくない。
 理解しては、いけない。

 冗談にしようとしても、目の前に立つ人物がそれを許してくれなかった。

 どうしてですか。なぜですか。知ってるじゃないですか。
 私の、パンドラの箱。
 貴方が知らないはず、ないじゃないですか。

(なのに、触れるんですね…)

 触れてないで、開けないで、ずっと態度で示していたじゃない。
 どうして、分かってくれないんですか。

 もう失いたくないんです。
 私が、私でいるためには、この感情に振り回されるわけにはいかないんです。

「もう一度言うよ。君が好きだ。俺の恋人になってください」

 ドッキリでも冗談でもない、と先に言われてしまった。

 そんなの貴方の眼を見れば分かります。
 気付いてないでしょう、その眼は以前見たことあるんですよ。
 好きな子がいるって、愛しいって教えてくれたときの眼と一緒です。

(好きって言えたらどんなにいいだろう…)

 貴方の想いに答えられたらどんなに幸せだろうかと考える。
 考えて、考え抜いて出た答えは恐怖でしかない。
 永遠なんてないのだから。


 アノ最悪ノ結末ハ、モウ二度ト味ワイタクナイ。


「…ごめんなさい」

 出てきたのは、否定の言葉。
 当たり障りのない、断り文句を並べてゆっくりと頭を下げる。
 一瞬だけ目端に映った貴方の顔は、無表情で傷ついた眼をしていた。

 そして私は背を向け、その場から立ち去る。
 酷く醜い笑みを浮べて、呼び止める声を無視した。

 私ばかり、こんな苦しい思いするなんてずるいと思うんです。
 だから少しでも同じ思いを感じてください。

 失う、痛みを。

(………でも、本当に同じ『痛み』なのかしら?)



ねぇ。その痛みはやっぱり、くるしいですか?