メロキュン企画第8弾!
お題テーマは『新春!!蓮キョ☆メロキュンカルタ大会!!』
沢山の札が素敵な作家様によってアップされております!
企画に関しては総合案内ピコ様 のブログをご参照ください!
フルコンプ間近!!
すべての札はエントリー済みとなりました!あとは作家様のアップを待つのみです。
かくいう私もこれでドンケツは脱出です~。
心置きなくカルタがアップされるのを気楽に待つ立場になれます。
今回ゲットしたお題は【ら】
成立後のお話なので、甘さもちょっとは多めでしょうか??
それでは行ってらっしゃいませ!
愛玩動物は多種多様に存在するけど、やっぱり代表的なのは犬・猫だろう。
世の中どっち派とかどっちのタイプなどたわいのない話題になるほど、世の中に浸透している。
Like a cat らいく あ きゃっと
『キョーコちゃんって絶対猫タイプだろ?』
何時だったか社さんが言った言葉。
ツンデレ、マイペース、普段素っ気ないのに、たまに甘えてくる…etc
なんだか良く分からないが、あの子をネタにからかわれたんだっていう事だけは良く分かった。
そしてやっぱり俺もそう思う。
彼女は…
俺の恋人は、根本はやっぱり猫タイプなんだと思う。
******
「シャー、ハッー!!」
蓮の目の前には逆毛を立てて威嚇する子猫。
正面から手を伸ばしても鋭い爪のパンチが飛んでくる。
一応商売道具の体。見えるところに傷をつけられると支障が出ることもあるので、蓮は仕方なく手にしたオモチャで子猫の気をそらすと、ひょいっと首根っこを捕まえて持ち上げた。
途端に現状を把握した子猫の瞳孔がぶわっと開き黒目が大きくなるが、首元を抑えられ動作はおとなしくなる。
首の皮をつまんで持ち上げるのは母猫が子猫を運ぶ時にする動作らしく、おとなしくなる習性があるらしい。
人より大きな蓮の手の指先で摘まめるほど小さな子猫。
いや、そんなにバカに小さくはないのだが対比で小さく見えてしまう。
「最上さん、はい」
「そんな捕まえ方して、かわいそうじゃないですかっ!」
首根っこを捕まえてぶらぶらと持ち上げて、捕獲した子猫をキョーコに手渡す。
キョーコの腕の中から逆毛を立てたまま蓮をじーっと見返す子猫をキョーコが撫でると、子猫は次第に落ち着きを取り戻し、しまいには抱き留められたキョーコの胸で前足で揉み足をはじめ喉を鳴らしはじめた。
滅多にない2人そろってのオフ。
事の始まりはキョーコが子猫を拾った事。
本当は自分で飼ってみたいのもあるんだろうが、自宅に不在なことが多いこの仕事。ペットにまでかわいそうな思いはさせたくないと、キョーコは事務所関係者で里親をすでに見つけていた。
が、里親の事情で受け渡しは3日後事務所で。
だるまやを出て一人暮らし中の彼女は当初この2日間は自宅で子猫を保護することにしていたらしいが、部屋はペット禁止の賃貸…運悪く管理人に見つかってしまった。
他に預けるにしても、キョーコの頼めそうなだるまやは飲食店のためNG、モー子さんはロケで不在。
しかも、キョーコ自身この子猫との生活が名残惜しくて一緒に過ごしたいのはバレバレだった。
せっかくオフが重なったので蓮が自宅に誘ったのは彼女にとっては渡りに船。
蓮の許可さえあれば、ここでお望み通り子猫と最後の時間を過ごせる。
律義なくせに、蓮に対しては無自覚に計算高い。
本来であれば、自宅に来る前に断りを入れるはずなのにキョーコは蓮の自宅に直接子猫を連れて現れた。
「…ダメ、…ですか?」
上目遣いのキョーコのお願い。
キョーコはこのオフがあけるまで子猫付きで蓮の自宅で過ごすことをお願いしていた。
…騙されてはいけない。今時珍しい礼儀正しさや遠慮、奥ゆかしさで惑わされがちだが基本彼女はマイペースなんだ。
(自覚しているんだろうか?)
蓮はダメもなにも回答はOKしかありえない状態で出されたお願いにため息をついた。
無意識でもなんでも、自分だけに見せるキョーコの甘えに蓮は断るなんて選択肢はない。
別に動物が嫌いなわけではない。
しかもキョーコはこの子猫付きで3日後まで過ごす場所の当てがない。
人間の子供じゃないんだから付きっきりで見る必要だってないから何の支障もないはず。
…だったのに、子猫はなぜか蓮を警戒していた。
キョーコにはごろごろと甘える癖に、蓮に対しては威嚇ばかりだ。
キョーコはいわく雄猫は女が好きで、雌猫は男が嫌いなことが多いらしい、と。
それじゃあ男は結局嫌われるんじゃないかと蓮は思った。
そんなわけで、子猫はキョーコにべったり。
蓮が近づくと子猫が威嚇する。
キョーコは子猫に夢中。
・・・蓮はキョーコに近づけなくなっていた。
キョーコに子猫を手渡した蓮は、リビングのテーブルの近くで床に座るキョーコと少しだけ距離をとりソファーに座った。これくらいの距離なら、子猫は蓮に威嚇はしないらしい。
「・・・羨ましい」
「え?」
心のままに、蓮はぽつりとつぶやいていた。
自分と子猫を見つめてつぶやいた言葉にキョーコは苦笑した。
「拗ねないでください。こんな可愛い子猫に威嚇されるて残念なのはわかりますけど」
子猫を膝の上に乗せて撫でていたキョーコは蓮を見上げた。
膝の上の子猫は先ほどの蓮との大捕り物で体力を使い果たしたのか、腹を見せて眠っていた。悪戯するようにキョーコが緊張のとれた前足の肉球をつついてもピクリとも動かない。
野生動物としてはNGな姿ではあるが、それだけこの子猫はキョーコに気を許して甘えきっているんだろう。
「ほら、今なら触っても大丈夫ですよ?爆睡してるみたい…」
蓮は自分の言葉の意味を、子猫に相手にされなくて拗ねているととらえているキョーコの隣に近づいた。
確かに子猫は熟睡していて蓮の気配に起きる様子もない。
「そうだね」
子猫を乗せたままのキョーコの膝に蓮が近づく。
「ちょ…!敦賀さんっ!」
子猫を撫でるかと思いきや、自分の膝に乗ってきた蓮の頭にキョーコは慌てふためいた。
「静かに。子猫が起きちゃう」
「・・・・っ!!!」
丈の短めなハーフパンツを履いてきたせいで、キョーコの太ももは半分以上生肌を露出している。
足の付け根で眠っている子猫を除けて、蓮の髪がキョーコの太ももを撫で、キョーコはくすぐったさと恥ずかしさで瞬時に赤くなった。
ごろりと体の向きを変え、蓮は膝の上から真っ直ぐキョーコを見上げた。
「羨ましいって言ったのは、子猫が・・・って事」
「え?」
「さっきから子猫ばっかり構って…」
「うー…」
そう言われればキョーコはぐうの音も出ない。確かにカワイイ子猫に夢中だったのは自覚しているから。
「俺のことだってかまってくれてもいいと思う」
「……ハイ」
「反省してる?」
「……ハイ」
「だったらこれくらいいいよね?」
自分を見上げる蓮の表情は、カインの時によく見た子犬のようでキョーコは急に自分が悪いことをしていたのを責められている気になった。
子猫に対抗するように、蓮はまた体の向きを変えてキョーコの太ももに頬ずりをした。
「……っ」
蓮の肌が直接太ももに当たる感触にキョーコはぐっと息をのみこんで逃げ出したい身体を押さえつける。
自分が悪いという感覚はあるものの、こんな子猫相手に嫉妬する蓮の方が大人げないと心の隅で愚痴っていた。
「…いま嫉妬深いって思っただろ?」
キョーコの体の方に向き直れば蓮の目の前に安心しきって上下する子猫の腹があった。
図星を指されて、ピクリとキョーコの体が緊張したのを蓮は肌で感じ取る。
すうすうと聞こえる小さな寝息に蓮はそっと上下する柔らかそうな子猫の腹を撫でで、そのまま指をキョーコのシャツの中に滑り込ませた。
「ななな・・・何をなさるおつもりで…?」
服に忍び込んできた手にキョーコの声に焦りの色が浮かぶ。
しかし、眠った子猫と大きな子犬の様な蓮が膝の上にいることで逃げ出すことすら叶わない。
「さっき子猫には許していただろう?俺はダメなの?」
寝入る前はキョーコの胸に抱かれてモミモミと揉み足して喉を鳴らしていた子猫。
そんなとこまで嫉妬しなくてもいいんじゃないかとキョーコは思ったが、立場の悪い今日は許容するしかない。
不埒な蓮の手はお腹を撫で、するりと背中に廻ったかと思ったら器用に下着のホックをはずしてしまった。
胸まわりの緊張が緩んで、隙間から蓮の手が控えめな膨らみを確かめていく。
「服が無ければいい眺めだろうね?」
ごろりとまた真上を向く体制になって、蓮は困って赤くなったキョーコににっこりと笑ってみせた。
「~~~~もうっ!!」
キョーコは膝の上の子猫をすくい上げてぽんと蓮の胸の上に乗せた。
持ち上げられた子猫は目をさまし、最初は蓮の胸の上で訳の分からない顔をしていたがそこが蓮の体の上と分かった瞬間、その背は丸まりぶわっと尻尾が逆立った。
「!!」
さすがに至近距離で威嚇された蓮は驚いた。
キョーコの膝から飛び起き、自分の顔めがけて爪を繰り出す子猫の首根っこをあわてて再度捕まえることになった。
****
キョーコに夕食の片づけをしているからと促された蓮は先に風呂を済ませ、ベッドに寝転がって休日明けの現場の台本を読んでいた。
蓮と入れ違いでバスルームは今キョーコが使っている。
子猫は人間の夕飯のあと眠ってしまっていて、キョーコが持ってきたケージの中にそっといれていたのでリビングに居るのだろう。
「?」
台本に没頭していた蓮は小さな物音に気が付き顔を上げた。
見回してみても特に変わったところもなく、気のせいかと思いきやまたしても物音が聞こえた。
「…お前」
見ればベッドの上よじ登ってきた子猫の姿。
また威嚇されるのでは…と蓮に小さい緊張が走るがベッドの上にのっかった子猫には警戒の色はなく、おもむろに蓮に近づいてきた。
「……」
緊張の色を隠せずに、でも余計な刺激を与えたくもなくて蓮は固まったまま子猫の行動を見ていた。
子猫は蓮のすぐそばまで行くと、肌がけと蓮の体の隙間をに身を置いてモミモミと前足を動かし始めた。
「…?」
なんのつもりだろうかと、じっと子猫を観察していると小さく喉を鳴らす音も聞こえてくる。
先ほどキョーコの腕の中で取っていた行動と同じものだと気が付いた蓮は、子猫に警戒していた自分に苦笑した。
いつもキョーコがいる自分の右側で、モミモミと足を動かす子猫。ベッドからキョーコの匂いでもしたのだろうか?
子猫のもたらす小さな振動に蓮はくすぐったくも、こんな風にすり寄られたら確かに可愛いと納得してしまう。
蓮が子猫を見下ろして微笑んでいると、寝室のドアが開いてキョーコが入ってきた。
「ドアちょっと開いてましたね。お風呂ありがとうございました」
パジャマ姿のキョーコはベッドに近づき、蓮にくっついて丸くなっている子猫に気が付いた。
「ふふっ、ずいぶん仲良くなったみたいですね?」
揉み足も止まって、子猫はすうすうと寝息を立てている。
先ほど同様、ちょっとの物音では起きる気配はない。
「ね、可愛いでしょ?」
嬉しそうに覗き込んでくるキョーコを見て、君の方が可愛いけどと蓮は苦笑した。
「君のにおいがするみたいでね。あんなに俺に威嚇してたのに、ここで寝ちゃったよ」
キョーコの定位置にちんまりと寝ている子猫。
居心地がいいようにキョーコが首にかけていたタオルを無造作にベッドの隅に崩して置き、子猫が起さない様にそっとタオルの上に移動させた。タオルに埋もれるようにおけば、きっとキョーコのにおいに包まれて安心できるだろう。
「さっきの分、埋め合わせしてくれるよね?」
「へ?」
子猫に優しげな表情を見せていた蓮に安堵していたキョーコは、急に自分に話題を振られて面食らった。
「俺のこともかまってくれるよね?」
子猫の居たいつもの定位置にキョーコを引き寄せて、蓮はわざとキョーコの耳元で低く囁く。
「う・・・手加減してくださいね?」
「明日も休みだし、君のお願い聞いたんだから今度は俺のお願いきいてくれるよね?」
真っ赤な顔で見上げてくるキョーコに、蓮は笑顔でそう告げてキョーコの頬にキスをした。
*******
自分の体の上を跳ね回る感触に蓮は目を覚ました。
腕の中にはキョーコが丸まってすうすうと寝息を立てている。
目元が赤く涙の跡も見える。がっつきすぎてしまった昨夜の自分に蓮は苦笑した。
チクリとタオルケット越しの肩に小さな痛みと軽い感触。
何だろうと蓮が目をやると、瞳孔がいっぱいに開いて大きな黒目の子猫と視線がぶつかった。
「ああ、居たっけ…?」
さっきの体の上を跳ね回るような感触はこの子猫だったらしい。
つまみ上げようと体をひねると子猫はばっとベッドを駆け下り、開いた寝室のドアの隙間から廊下へ走って行った。
子猫特有の、何かスイッチが入ったように動き回る時間帯に入ったらしい。
昨夜の夕食前にもこんな風に一人で興奮して走り回っていた様子を思い出して蓮は小さく笑った。
「ん…」
腕の中でキョーコが小さく身じろぎする。
身体を重ねる度、ベッドの中で恥ずかしそうに身を縮こませる様も借りてきた猫の様で。
しつこく愛撫を繰り返し、快感に従順になって自分に跨る様は猫科の肉食獣の様で。
それでいてこんな風にまるくなってすり寄ってくる甘えた様子も…
やっぱりこの子は猫のようだと蓮は思った。
腕の中のキョーコを抱きしめなおすと、絡めた腕にキョーコは身を寄せてくる。
「……猫好きって、こんな気分のかな…?」
ツンデレ、マイペース、普段素っ気ないのに、たまに甘えてくる…etc
実際の子猫の行動とキョーコを見比べて、蓮は以前社にからかわれたことを思い出していた。
~~~~~~~~~
今回、タイトルはちょいやってしまいました…
英語に精通する人は笑ってくださいませ。
意味が分かんない人は直訳で解釈してください。
Like a cat…猫のよう (like a ~=~のようだ)です。
くせ者でしてね…英語のcat色々意味があるようで
直訳通り、猫・猫科動物のほかに…
陰口を言う女、意地悪女
売春婦・女性器
ジャズ狂、
男・ヤツ(ニュアンス的には野郎って感じかな?)
動詞としては
錨を引き上げて吊錨(ちょうびょう)架にかける
男が女を漁る
忍び足で歩く
要はあまりイイ意味の言葉ではないらしいです。
しかも慣用句で
like a cat on a hot tin roof
(直訳=熱く焼けた屋根の上の猫のよう)
=びくびく(そわそわ)して
っていうのもあるらしい。
まったく、英語のタイトルつける時は気を付けなきゃいけませんねぇ…